いつか北村匠海と、この街で
「本当は孤独さえ一緒に味わいたいのに、君にはきっとわからない。でも、そんな君が存在していなかったら、
こんな世界におそらく俺は居なかったよ」。眩く光るネオンの下で、
近づけば近づくほど遠ざかってしまう2人が本当の愛を知る切ないストーリー。彼がこの街に戻ったことが、私をおかしくさせる。
誌面には載せきれなかった未公開カットと北村匠海のweb限定特別インタビューをここにお届け。
ーまず、今回の撮影について。昭和感が少し漂うムードでの撮影でしたが、ファッションはいかがでしたか?
今日の衣装のような格好を僕は普段からしているので、いつもの自分に近しいスタイリングでした。僕も基本的にスラックスで、パンツも大きいか極端に細いかだし、革靴は年中履いています。
―実は昭和に居そうな“ちょい悪”っていうのがスタイリングの裏テーマだったんですが、そんな“ちょい悪”なファッションアイテムは持っていますか?
基本的に、年上の男性がするちょい悪格好が好きです(笑)。最近、ちょっと奮発してOMEGAの時計をヴィンテージショップで手に入れました。ゴールド縛りで、ベルトは革製です。昔からそんなちょい悪なアイテムが好きですね。
―ファッション以外にも、匠海さんに“ちょい悪”な一面はありますか?
中身はちょい悪だと思いますよ(笑)。年上の友達が多いんですけど、少しだけ背伸びして遊んだりもします(笑)。例えば、年上の友達の車に乗って重低音のHIPHOPを流して……みたいな(笑)。
―今回はいつもように映画などの映像ではなく、スチールでの撮影で恋愛ストーリーを演じてもらいました。今までにあまりなかったと思うんですが、男女の撮影はいかがでしたか?
すみません! 撮影中は、暑くてちょっとうる覚えです(笑)。でも、今回のストーリーの男性はきっと亭主関白な感じですよね。僕はあんまり人の上に立つのが得意なタイプではないので、女性が男性に付いて行く感じとかは新鮮でした。
―小さい時に見た、恋愛青春映画などの作品で印象に残っている作品はありますか?
やっぱり僕らの世代も木村拓哉さんの作品です。木村拓哉さん主演ドラマに憧れがめちゃくちゃありましたし、今もあります! あとは、窪塚洋介さんが出ている『GO』とかも見ていました。でも、僕らの世代のど真ん中は、やっぱり小6くらいでやっていた『花より男子』だったかな。
―好きな映画やドラマ作品などシーンで、好きな子を落とす印象的な憧れのシチュエーションはありますか?
『ゴースト/ニューヨークの幻』って言う映画があるじゃないですか、あのロクロを回すシーンですね。めちゃくちゃ良い! 今まで見たラブストーリー映画のなかでいちばん好きです。もちろん、男女で同じロクロを回すことは今までにも1度もないですけど(笑)。
―できれば好きな人と一緒にロクロを回したい?
映画のようなシチュエーションは憧れますね。だから出来れば回したいですね(笑)。後ろから手を回して教えてあげるみたいな。ロクロを回しながら手が絡まって行くのとかは、やっぱりいいですよね。自分では1、2回ロクロを使ったこともあるんですが、まあ下手でした。作るとしたらカレー用のお皿を作りたいかな。2人でロクロを回して、そのお皿でカレーを食べるとか。
―憧れの男性像はありますか?
ブレない人。その人が若い20代の頃から、突き詰めているファッションがあまり変わってない人は超かっこいいって思います。ファッションとか、物を長く使い続けられる人とか。例えば、革靴を穴が開いてもリペアして、30年間ずっと使い続けるとか。僕も収集癖があるように、男ってこだわりが強くあるし。そうやって何かを突き詰めている人、ずっと続けられるような男性がいいですね。家に行ったら、もうその人のこだわりの塊! みたいな部屋を持っているのとかもいいなと思います。
―以前のNYLON guysのインタビューでは趣味のカメラの話をしてくれましたが、まだカメラは続けていますか?
ずっと続けてます。現像まで自分でやっていてフィルムが多かったのですが、最近はデジタルとか携帯でも撮るようになりました。映像も始めたので、映画の撮影現場とかでも、出演者を自由に撮ってミュージックビデオみたいに繋げて編集したりしてます。
―最近撮影した人などのエピソードはありますか?
つい最近まで来年公開の映画『サヨナラまでの30分』の撮影していたんですけど、現場にいるメンバーが被写体として面白かったです。共演経験のある新田真剣佑、そして上杉柊平くん、清原翔くん、葉山奨之くんとか。みんなを撮ってそれこそミュージックビデオみたいなのも作りました。その時は、写真より映像の方がずっと撮っていたかな。今ってスマホでも映画を撮影する時代じゃないですか。僕が使っているのもアプリなんですが、それで撮影してあとはずっと編集して楽しんでいます。
―NYLON JAPANでは、今年15周年を迎えるにあたり「NEW POWER・NO BORDER」をコンセプトに掲げています。最近 “NO BORDER”を感じることはありますか?
ファッションをはじめに、どの世代とも繋がれるものがきっと意外にたくんさんありますよね。今もファッションでは90sが流行っているけど、それは何十年も前から“かっこいい”の観点が変わっていないからなんだろうなと思います。僕の場合は、出演者さんとたとえ年齢が違っても、洋服の話1つで繋がることが出来たり。年齢関係なく、そういうカルチャーで繋がれるっていいことだと思うし、自分もこういう世界で関わらせていただけるのはすごく有り難いなって感じますね。
―ファッションや年齢以外に感じた“NO BORDER”はありますか?
テレビドラマ『隣の家族は青く見える』で同性愛者の役を演じた時は、特にジェンダーレスに対してすごく学びました。音楽、ファッション、写真でもそうだし、何かにすごく敏感な人が多いのではないかなと思います。
―アーティスト的な感覚についてですか?
はい。だから逆に、きっとその方々にしか持っていない概念や新しい何かを持ってるアーティストがもっともっと活躍していくんじゃないかなぁと思います。僕は洋服が好きだから、海外ブランドにあるようなジェンダーレスブランドみたいなのが、さらにどんどん広まっていって欲しいとも思いますね。
―次に、映画『HELLO WORLD』に関して。今回初の声優出演ということで新しいことに挑戦したと思うんですけど、挑戦することは好きですか?
大好きですね。基本的に今趣味になっている古着もそうですし、写真とか映像とかも。音楽も全て飛び込んで挑戦してみて、どんどん好きになっていくタイプだから、新しいことが始まるとすごいワクワクします。
―日本アニメーションの次世代を担う才能、まさに“NEW POWER”と言われる伊藤智彦監督の作品に携わってみて何か感じたことはありますか?
まず僕はSF大好きだから、今回携われること自体が本当に嬉しかったです。伊藤智彦監督はもともと細田守さんの作品の助監督をされている方で、僕もその細田さんの作品がもともと好きだったんです。今回は伊藤智彦監督の『HELLO WORLD』という作品で声優を務めるに当たり、監督が今までに莫大な工程を踏んできた方だと感じることがありました。ディレクションのやり方もすごく新鮮で、きっと自分がやりたいことがこの作品の中に核としてずっとあったんだろうなと思いました。監督は新しいものを作るということに対して、ものすごい爆発力を持った方だと感じました。
―アニメーションの印象は?
今回の舞台はネオ東京ではなく、美しい京都が描かれた2027年の京都が舞台なんですけど、京都の昔からの街並みにある木の質感は残しつつもそれがすごい近未来的で、見たことのない新たなSFの世界になっているのがすごく印象的です。とにかく絵が繊細でとても綺麗なので、その色使いとかにも是非注目して欲しいです。
―映画は“新機軸のハイスピードSF”とも言われていますが、一番印象に残っているシーンはどこですか?
時空を超えて飛ぶシーンがるんですけど、世界が崩れていく感じとか、とにかく最先端のアニメーションを感じられるシーンの勢いがすごいんです。やっぱりSFの世界はまだ実写じゃなかなか難しいと思うので、今だからこそ出来るアニメーションのクウォリティーを画面いっぱいに楽しめると思います。
―実際に、匠海さんも次世代を担う才能のキーマンだと思うのですが、次世代の1人として感じることはありますか?
それこそ俳優の菅田将暉さんがいる世代の勢いがすごいですよね。僕らはその1つ下の世代にいるのかなと思っているのですが、今が1番挑戦していい、1番蓄えるべき世代に生きていると思います。
―そんな次世代の北村匠海として、新たに挑戦してみたいことはありますか?
面白いと思ったことは、どんどん早めに挑戦していきたいです。普段自分が俳優として活動しているからこそ見えてくる部分を踏まえて、結構ファッションぽいものを作ってみたいな。いつかアーティストのMVを作る側も意外にやってみたいと考えています。ディレクションや監督、演出家でもプロデュースでも何でもいいので一度自分の好きな音楽のMVをかっこよく作りたい。僕らの世代はSNSがあって自己発信がすぐにできるミレニアル世代かなと思うので、だからこそ自分を発信することを逆にやめちゃいけないと思います。僕らが率先して自己発信をすることで、もっと自分を出しやすくなる社会になるのかもしれないって。
―クリエティヴなことに強く興味があるんですね。
10代の時から僕は割とそうだったんですけど、でもその時は、まだ未熟な部分がたくさんあったから好き勝手実行できる段階ではなかったんです。今でこそ20代になって少しだけステージが1個上がって、少しずつ挑戦している自分をそこに出せるようになってきたのかなと思います。
―『HELLO WORLD』=「新しい世界を開く」という意味で、匠海さんの新しい扉を開くとしたらどんな扉がありますか? まだ読者に教えていない初出し情報を教えてください。
う~ん、なんだろう……。あ! 最近、観葉植物を育てることを始めました。ウンベラータという渦巻いてて幹が太い観葉植物です。夏は葉焼けしちゃうので、水をちゃんとやって育てています。
―最後に、『HELLO WORLD』のナオミ役のように10年後の未来の自分から、今の自分へ何かメッセージを送るとしたら?
今はお芝居と音楽をやっていますが、これからはもっとやりたいことをたくさん広めていきたいと思っています。10年後の北村匠海は、もしかしたらどれか1つに絞っているかもしれない。だから、1つのことを極めているようになっているかもしれないから、その心の準備はしておけよ! って感じかな。それがもしかしたら、表舞台に立っていないかもしれないし。それはそれで、おもしろい人生だなと思います。だから、やっぱり面白いと思える人生を歩みたいですね。
look01
TAKUMI: shirt¥36,000 by auralee t-shirt¥27,000 by toga virilis pants¥11,575 by cos necklace and shoes stylist's ownHAORI: dress¥73,000 sandals¥59,000 by toga pulla
look02
TAKUMI: knit¥38,000 by auralee shirt¥45,000 pants¥51,000 by acne studios haori: dress¥83,000 by msgm/aoi cap¥15,000 by juun.j/gem pr ojector pr others stylist's ownHAORI: dress¥83,000 by msgm/aoi
look03
TAKUMI: shirt¥45,000 t-shirt¥14,000 by toga virilis pants¥13,889 by cos sunglasses¥29,000 by metronome®/joy every time inc.HAORI: dress¥120,000 bag¥140,000 by jw anderson/edstrÖm office
TAKUMI KITAMURA /北村匠海
HAORI TAKAHASHI /高橋春織
ハッシュタグ #CLOSETOITAKUMI をつけて、
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※応募期間 2019年9月28日~10月18日
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PHOTOGRAPHY:HIDETOSHINARITA
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