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あいみょんと輝く春の幕明け

あいみょんとNYLON JAPANの出会いは、約2年前。
彼女はこの数年間で、まさに日本の音楽シーンに旋風を巻き起こすアーティストになり、
新たな時代のファッションアイコンとして、誰もが愛する唯一無二の存在となった。
どんなに突き進むスピードが速くとも、等身大な彼女の存在は、
わたし達に優しく手を差し伸ばし、新しい景色へと心地よく導いてくれる。
そして、ついに2020年春の訪れとともにカバーガールに堂々降臨。
今も、この先もずっと、彼女の音楽や紡がれる言葉、ファッション、
その一つ一つをわたし達は追いかけ続けたい。

2/14に配信シングル「さよならの今日に」をリリースしたあいみょんが本誌初表紙&巻頭のカバーストーリーに登場。どこまでも等身大であり続ける彼女の今作への想い、ファッションや恋愛観まで、現在の彼女の魅力にギュッと迫ったロングインタビュー!INTERVIEW: NAOTO OKUTOMI



ー日本テレビ系列“news zero”に楽曲を書き下ろした新曲「さよならの今日に」が配信リリースされましたね。

シングルを配信でリリースするの初めてなんですよ。書下ろし自体は去年一昨年からたくさんいただいていたん ですけど。

ーあいみょんにはラヴソングのイメージが強いと思うんですが、今回の番組テーマが「ニュースを『じぶんごと』に」ということもあってか、曲調がシリアスな印象でした。どのような感情で制作に向き合った曲なのでし ょうか?

普段から結構ニュースを観るんですけど、「ニュースを『じぶんごと』に」っていう番組テーマがすごい良いな と思って。ニュース観てる時って、自分には起これへん他人ごととして観るじゃないですか。そういう事を考え ながらもTVニュースだけに意識せず、社会でナチュラルに切り取られるものと消費する側として、曲を書こう と思って。

ーサウンドのバンド感もいつもよりハードで重めで、聴いていて「生きていたんだよな」に近い印象を受けまし た。

メジャーデビューシングル「生きていたんだよな」も、ニュースを観てできた曲なんですよ。だから同じヒリヒリ感はあるかなと思ってて。

ーアルバム『瞬間的シックスセンス』のリリースから1年が経って、リスナーからすると1年が長く感じる位のボリュームがあったと思うんですけど、そのなかで新しい曲を作る上での心境や環境の変化はありましたか?

曲作りとしては日々変わらず、好きだからやっているという感じですね。この仕事をあんまり職業として見てい ないタイプなので、ただ私は曲作りが好きだから癖みたいに日々やっていて。その延長で書き下ろしの話がいた だけたらうれしいですし、ちゃんと作品やテーマに寄り添いながら自分らしく作るっていうのは変わりないです し。悩むこともそんなにないですね。

ーあんまり悩んでいる姿は想像できないですね。

でも、2・3年前はもっと曲を作っていたんですよ。だんだん減ってきたということは事実で。年々その時々で 自分のペースって違うじゃないですか。そのペースに合って曲作りできているし、頑張りすぎず、ストレスにな らへん程度にこの活動ができたらいいなと思っているので、曲作りのスタンスとしては煮詰まりすぎずというの は変わっていない感じですね。

ーライヴもアリーナツアーをはじめ非常に多い印象でした。そのなかで、最近何か音楽的な影響はありましたか?

初めてアリーナ規模のライヴを2デイズやってみて、これまでと会場のサイズ感が変わることで、こんなにも見 え方とか歌う側としても大変なんやなあと。会場のキャパとお客さんとの距離感が今までと変わって、「これ客 席まで届いてるの?」みたいな事があって、ライヴに対してのことは考えるようになりましたね。最近は、スピ ッツの横浜アリーナのライヴを観て。最高でした。その横浜アリーナの次公演がちょうど私のライヴだったんで すよ。そんなこともあっていろいろリアルタイムで観させてもらって。もちろんライヴの演出や歌とかも素晴ら しいんですけど、結局辿り着くところが“曲の良さ”なんですよ。世のなかに残り続ける曲を作ることのすごさ は、こうやって先輩から学びますね。そういうアーティストでいたいなとは、この近年強く思います。落ち着き たいけど、落ち着きたくないみたいな感じです。アーティストとして。

long sleeve t-shirt¥12,000 by phingerin skirt¥72,000 by yohei ohno/esteem press
clutch bag¥28,000 by doublet/studio fabwork accessories model’s own

ーファッションについて、普段のコーディネートで意識していることやこだわりはありますか?

あんまりなくて。もともとはガチャガチャした服が好きだったんですけど、例えば今回みたいにファッション誌 の撮影があったりすると、着替えやすい服がいいなとか、そういう感じです。私がチャラチャラしたもの着けて 来たら着替え大変じゃないですか(笑)。

ーもはや気を配ってるじゃないですか(笑)。

でも、普段はかわいい格好をしたいと思っています。相変わらず古着屋にはよく行って、めっちゃ買い物してま すし。最近は靴下が好きでめちゃめちゃ買ってますよ。足もとがオシャレな人は、全体的にオシャレに見えます よね。以前はTシャツばっかりハマった時期もあったり、自分のなかでブームが来るとどっぷりハマるタイプで す。

ーもう春になりますが、狙っているアイテム等はありますか?

もうすでにTシャツが欲しくなってますね。冬場のオシャレはなんだか苦手なんですよ。最近は服どうこうじゃ なくて、小物とかネイルとか細かいところでオシャレを楽しんでますね。例えば、ジーンズに白Tシャツだけで もいいけど小物が可愛ければオシャレに見える気がして、ここ最近はそういうことを意識したりしてました。

ーそこに行きつくのは大人なオシャレの楽しみ方ですね。

夏場はずっとセブン-イレブンで買った無地白Tを着てましたけど(笑)。

ー親近感湧きます(笑)。今着けているリングも可愛いですね。

これは、昨日下北沢の路上でおじちゃんが売っていて(笑)。可愛いから即買いました。

ー自分の感覚でアイテムを選んでファッションを楽しんでいるのが伝わります。

なんでもかんでもオシャレだなって思ってしまうタイプなので、もうそうなると、オシャレに見せるのは自分の 問題だ、的な。だから、楽しいですよねファッションは。

ー周りでオシャレだなと思う方はいますか?

男性だと、斉藤和義さんとYO-KINGさんですね。着飾ってないのにシュッとしたスタイルで。服が喜んでます あれは。ああいう人を見るとかっこいいなって思いますね。東京はオシャレな子多くてすごいなと思います。私 が出してるグッズも、みんなオリジナリティある取り入れ方をしてるんですよ。それがうれしくて。女性だと、 スタイリストの二宮ちえさん。ちえさんと会うといつも真似したくなるスタイルをしているんです。この間のラ イヴで着た赤+赤の上下の組み合わせもちえさんの影響で合わせました。今回のスタイリングの服部昌孝さんも ですけど、知らず知らずの間に周りからの影響は受けていると思います。

shirt¥16,000 by k3 office pants¥18,000 by needles/nepenthes
earrings¥57,000 by all blues/edström office
trump pitcher*vintage¥168,000 by royal bayreuth/albert kahn

ーあいみょんと言えば、世間からラヴソングの印象を持たれると思うんですが、曲はどういう瞬間に生まれますか?

うーん。ラヴソングは生まれるどうこうより、ひとつのアイディアとか視点を変えればなんでもラヴソングになりますね。家にいるだけで、恋愛経験を直接しなくてもラヴソングは生まれます。脚本家になったような気分で、生活から感じたものをなんでも題材にしていますね。

ーリアリティもあるし、ファンタジックでもあるという。

例えば、家の鍵をなくすでも、卵を床に落とすだけでも曲の材料になりますし。この間ハッとしたのは、家でオムライス作っていてケチャップがピュッと服に飛んできたんですよ。その瞬間、「うわ、オムライスの返り血浴びた!」っと思って、そのニュアンスがいずれ曲に繋がったりとか。

ーその柔軟な感覚で日常を過ごしてると、街中にアイディアは絶えないですね。

街中に出ると楽しすぎて。家でもそんな感じなので日々ドタバタやってるんですけど(笑)。例えば、失恋したからといってラヴソングが生まれる訳じゃないですね。

ー多くのミュージシャンは、実体験と織り交ぜて作っているところですよね。

でも、実際は私もどこかで過去の経験から成り立ってると思うんですけど、それを掘り起こすための材料を探しているみたいな。オムライスからの返り血浴びた時にaaa、「あ、そういえば前の彼氏によくオムライス作ってケチャップで文字書いてたなあ」とか、そうやって接続していくわけです。

ーすごい想像力ですね。あいみょんの言葉遊びの面白さは、そういった観点から来ていると。もう少し恋愛の話で、日常で男性にキュンと来る瞬間や行動などはありますか?

キュンとするというか、好きなところはありますね。鼠蹊部。男性の大事なところに繋がる線(笑)。行動・出来事とかはあんまりないかもしれないですけど、この前、フェスでクッキーをもらう列に宮本浩次さんが並んでいて、もらったはずのクッキーを近くにいた私にくれたんですよ。「また並べばいいから」って。嬉しくてそのクッキーはしばらく食べれなかったですね。写真撮って携帯の待ち受けにしてました(笑)。そういう、ちょっとした優しさとか、予測不可能な行動する人は好きですね。あと、見た目の湿度が高い人が好きです。とにかく、優しい人。

ー男性の好きなファッションはありますか?

男性はシンプルなファッションが好きですね。ジーンズに白Tシャツが似合う人。それがいちばん。ちょっとゴチャゴチャしてる人で、似合ってなかったら似合ってないってストレートに言っちゃうかも(笑)。相手には、これ着てほしいあれ着てほしいは言ってしまうタイプですね。

ー毎日決め込んでるのも相手も疲れちゃいますよね。

そう。あと、自分も服好きだからこそ、相手には抑えめにいてほしい。わがままですけど(笑)。

jacket¥62,000 pants¥42,000 by sulvam t-shirt¥7,000 by dreamland syndicate/adelaide
scarf¥15,000 by acne studios suspenders¥19,000 by toga pulla*only sold at company store
accessories model’s own

ー恋愛では、好きになったら相手に積極的にアプローチできるタイプですか? それとも控えめ?

すごくアプローチできるタイプです。計算高いですよ(笑)。

ーなかなかアプローチできないという子には、どういうアドバイスをします?

当たって砕けろ! ではなく、計算高く、ですね。大事です。相手のことを好きだからこそ、自分の方に振り向いてほしいからこそ生まれる行動だから、計算高いっていうのはある意味純粋じゃないですか。いかに自分の良い所をプラスに見てもらえるかを計算するのは悪いことじゃない。だって、例えば好きな人が好きそうな服を選んで着てしまうのも、ある意味計算だと思うし。皆、「計算高い女はありえへん」って言ったりするけど、好きな人には意識せずともどこか計算していることがあるじゃないですか。男女共に。

ーごもっともです。

相手の好きな音楽を聴き出して、私も好きって言ってみてもいい。

ー意図せずとも自分が成長していく恋愛なのかもしれないですね。

自分磨きをしながら、もしその恋がダメだったとしても、そこで磨いたものはいつかどこかでちゃんと返ってくるかもしれない。

ーNYLON JAPANの掲げているテーマが「NEW POWER, NO BORDER」という、性別や国籍など今まで線引きされやすかったものを取っ払って進んでいこうというものですが、このテーマと何かあいみょん自身が重なるところはありますか?

私は、ファッションで言えばメンズものを着ることも多いし、歌詞を男性視点で書くことも普通で。世間が思う普通の感覚っていうのはわからないけど、自分にとっての普通と思えることは、全然受け取って世のなかに出していっていいことだと思いますね。それが周りにとって普通じゃなくても。

ーファッションや音楽をやる人には大事な感覚ですよね。自分のスタイルやぶれないモノを持つということは。

だいたい普通が何かもわかってない人達が言うじゃないですか、普通にしてろって。私は、自分の感情とか思ってることを歌詞書いて、曲作って、ステージで歌ってる時点で普通じゃないと思ってるんで。変態がやることじゃないですか(笑)。それでもそれぞれで自信持ってやれたらいいですね。

ー最後に、夢を目指す読者へメッセージを一言!

夢を持ったら、続けるに越したことはないです。あとは自己アピールをしっかり。そういうことしやすい時代じゃないですか。SNSの発展といい。今は自分をアピールできるものがたくさんある。そこは依存しない程度にしっかり使って、アピールを間違えずにやっていけたらと思いますね。私自身も投稿した動画に対して、TwitterのDMに事務所から連絡が来て始まった身なんで。

ー確かに、それぞれがアカウントを持ってプロフィールを自己発信出来る時代は、毎日がオーディション会場のようなものですね。

そうそう。今もいろんな人が気にして探していると思うし。SNSに対しても、「時代だな~。」という後ろ向きな言葉に惑わされず、時代らしいことをしてもいいじゃないかと思いますよ。どこにチャンスがあるかわからない、この時代を楽しむべきですね。



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※応募締め切り 2020年3月27日

あいみょん/Aimyon

1995年3月6日生まれ、兵庫県西宮出身のシンガーソングライター。
中学の頃よりソングライティングを始め、高校卒業後YouTubeにアップした楽曲のリリックビデオが
口コミで話題になり、16年、シングル「生きていたんだよな」でメジャーデビュー。
2018年紅白歌合戦に初出演を果たすなどし、
2019年には“2019年 1番聴かれたアーティスト”と賞賛されるまでに。
@aimyon36


INFO.
日本テレビ「news zero」テーマ曲
DIGITAL SINGLE「さよならの今日に」配信中

STAFF
PHOTOGRAPHY: TOSHIO OHNO(L MANAGEMENT)
STYLING: MASATAKA HATTORI
VIDEOGRAPHY: SATOSHI WATANABE
HAIR: HORI(BE NATURAL)
MAKEUP: KIE KIYOHARA(BEAUTY DIRECTION)
EDIT: SAYURI SEKINE
DESIGN: SHOKO FUJIMOTO
CORDING: JUN OKUZAWA