Q.今日はついに「劇団『ドラマティカ』ACT4／魔女とお菓子の家」の公演初日ですね！　本作は、大人気アプリゲーム『あんさんぶるスターズ！！』に登場するアイドルキャラクターが、原作ストーリーにはないオリジナルストーリーを俳優として演じるという、ユニークな2.5次元舞台化プロジェクトです。劇団『ドラマティカ』で役を演じる際、舞台の上で意識しているポイントを教えてください。
山本：劇団『ドラマティカ』に関しては、その舞台を作っていく過程、キャラクターとして役を解釈する背景の時間がすごく大事かなと僕は意識しています。例えばACT1の『西遊記悠久奇譚』という演目では悟空という役をやらせてもらったのですが、“悟空を演じる北斗”を表現しようという意識的なものというよりも、「北斗だったら、悟空を演じるにあたって、どう頑張って、どう悩むの？」っていうことを、稽古中に一緒に悩んであげるっていう事が重要だと思っていて。キャラクターと演じる僕自身が寄り添い合うことで、初めて自分の中にある二つの役が一つになれる気がするんです。そして、そういった部分こそが劇団『ドラマティカ』の魅力になったらいいなと僕は思っています。
山崎：ACT1をやらせていただいた時に、「斎宮 宗すぎる」と指摘をいただいたことがあるんです。どれくらいの塩梅を出せばいいのか、いつも苦労するポイントです。今回の『魔女とお菓子の家』でも、どこかに斎宮 宗らしさをとっておきたいなと思って演じさせていただいております。
安井：渉さんとして役を演じるのは本当に難しいです。演技の天才というキャラクターなので、絶対に失敗できないし。ACT1の時は、正直プレッシャーがありすぎて吐きそうでした（笑）。でもACT1をやり切った後にそのプレッシャーはいい方向に変わってきたと思っています。考えすぎると身動きが取れなくなる事に気がつけたというか。うまく言えないのですが、渉さんが演劇をやっている時のマインドにどこまで合わせられるかっていうのを意識しているというのが近いかもしれないです。

Q.皆さんはACT1、ACT2にも出演されていますが、今回さらに期待して欲しいことは？
安井：同じ“日々樹 渉”を演じつつ、演目によって演じるキャラクターが思いっきり変わるので、いつもそれがすごく新鮮なんです。もちろん今回のACT4も、これまでとはまた違った役回りになっています！　さらに、今まで出演していなかったアイドルたちとの絡みもあるので、それがどういった化学反応を起こして広がっていくのかを期待して欲しいですね。きっとACT1にもACT2にもなかった新しいことが起きるんじゃないかなと思っています。
山崎：ACT1の時は、どうやってやるのがいいんだろうとかなり手探りな感じで始まったんです。でも、始まったら仲間達で立ち向かっていこうというパワーがすごく強くて。一つの新しいジャンルを確立しようとすることにみんなで力を注いだ思い出深い作品ですね。今回は、過去に2回出演しているということで勝手がわかってきている部分もあるので、「これが劇団『ドラマティカ』だよね！」という風に思ってもらえるような作品にしていければと思っています。

Q.今回の演目である「劇団『ドラマティカ』ACT4／魔女とお菓子の家」では、山本さんは出演に加え演出もご担当されます。演出面で期待してほしいことを教えてください。
山本：お客さんに楽しんでいただきたいっていうのが一番ですし、舞台としていかに入り込んでいけるかというのを演出で支えられたらと思っています。雑味をどんどん消して、幕が上がったら閉じるまで、一度も『魔女とお菓子の家』の世界観から出ることなく鑑賞を終えていただきたいじゃないですか。そのためにも場面転換で舞台装置が動いたり、照明が変わったりといろいろな演出の工夫があるのですが、そのリアルタイムの変化をストレスなく、むしろ、それを楽しんでいただけるのが理想だと思っています。演劇ってやっぱり、エンターテインメントとして目の前で起きている現象を楽しんでいただくっていうのが魅力なんですよね。それがなかったら、ドラマを観たり、映画を観たりするのと変わらないわけで。“なまもの”としての演劇の面白さ、凄さを感じてもらえるような演出ができたらと思います。

Q.最後に、「劇団『ドラマティカ』ACT4／魔女とお菓子の家」の魅力を教えてください。
山崎：今回、ヴィジュアルからして宗の持つ世界観にあふれていて、かなり濃度の高い、こだわりの詰まったものになっております。そして久しぶりに、同じユニットの影片みか（演：猪野広樹）と一緒に出演します。みか以外にも今までの舞台作品の中で出会っていない、劇団『ドラマティカ』メンバー以外のアイドルたちも登場しますので、どう絡んでいくのかにも期待していただけたらなと思います！