CULTURE
2019.07.11
It's Work Time vol.03 モテクリエイター 菅本裕子
夢を追い続ける全ての人へ発信するお仕事連載
憧れの仕事の裏側や、極意に迫るインタビュー連載。今回は、自ら確立させた “モテクリエイター” という新たな仕事のフィールドで活躍する菅本裕子をフィーチャー。 “ゆうこす” の愛称で親しまれる、男女問わず支持を得る彼女の、興味深いモテクリエイターとしての仕事内容やマインドに迫った。
“モテ”というのは、“愛される”ということ
モテって思っているより概念が広いんです
-まず、モテクリエイターとしてスタートさせたきっかけや理由はなんですか?
7年前にHKT48に所属していたんですが、アイドルを辞めてからもイベントを開催していて、みんな来てくれるだろうと期待していたら3人しかお客さんが来てくれなかったことがあって。この時、まずは共感されないといけないという結論に至りました。“ぶりっ子”という自分のアイデンティティは全ての女性から共感を得るものではないんです。でも「モテたい」という願望がある女性にフォーカスすることで、このアイデンティティから共感が生まれて、応援に繋がっていくだろうと考えたことがこの活動をスタートさせた理由です。
—モテクリエイターとして何を行っているのか教えてください。
女性が「モテたい」という気持ちをアピールすることは、「男に媚びてる」「可愛い子ぶってる」とネガティヴな印象に受け取られることが多いと思います。ですが、男女問わず愛されたい、可愛いと思われたいと思う気持ちはもっとポジティヴに捉えていいんじゃないかなと思い、YouTubeやInstagram、イベントなどで“モテ”に関する情報を発信しています。
-菅本さんのモテテクニックは女性に向けて発信しているものですか?
いえ、私がしてることは割と男性に向けての発信なんですよ。男性に向けてというよりは、男性に対してのモテテクニックを女性に発信しているという方が正しいですかね。男性にも女性にも効果的な内容だと思います。
-モテクリエイターという肩書きは誰が名付けたんですか?
ファンの方々と私で決めました。もともとモテタレントと名乗っていたのですが、YouTube制作や画像編集などクリエイティヴな作業をしていたので、ファンの方から「それってクリエイターだよね」と言われるようになって、「じゃあそれを“モテクリエイター”って言おうよ」という流れになり、モテクリエイターとして活動することにしました。
-そういった情報はどこからキャッチしていますか?
どこからというよりは、全てのことをモテに変換できるんです。日頃からそういう癖をつけているというか、モテクリエイターとしての軸がしっかりしていれば何でも言える気がして。例えば、モテインテリアとか、雨の日のモテコーデとか、モテる女の子のバッグの中身みたいな。割とモテ情報って何にでも当てはまると思います。そういう全ての物事にモテというフィルターを通す癖をつけています。あとは、Instagramで毎日ライヴ配信をしているので、顧客、ファンの意見がいちばん大切です。YouTubeをアップしてほしい、こういう投稿が見たい、など自分で情報を模索しているというより、情報を提供してもらっているという感じですね。
-ファンからのコメントや意見を反映していることが多いですか?
そうですね。でも、グラビアをやってほしいとか、コスメを出してほしいとか、飲食店をプロデュースしてほしいだとか、様々な要望があるので、全て受け入れてしまっては自分の個性がなくなってしまいます。ファンの声は1つの意見として聞いています。それを自分のなかで噛み砕いて、どうするか決めています。
-モテの概念ってどう捉えられていますか?
“モテ”というのは、“愛される”ということだと思っています。多様化が進む今の時代、相手に合わせることは、自分を苦しめることになるのではないかと思うことも多い。ですが、私自身もともと自分に自信がありませんでしたし、好きな人や周りの友人から褒められることで自分のアイデンティティを見つけてきたので、私にはこういうやり方が性に合っていると思うんです。人に愛されるということは、ネガティヴな気持ちは全くなくて、自信を持てることだと思っています。なので、“モテ”ということは、思っているより概念が広くて、自分がポジティヴになるためなんじゃないかと思っています。
-モテたその先にあるものは何だと考えますか?
自分がポジティヴになれることもそうですし、周りもポジティヴになれると思います。
- NYLON JAPAN(以下NYLON)はエッジィなスタイルを提案することが多いですが、NYLON読者はどうやったらモテると思いますか?
私が発信しているぶりっ子なモテとは少し世界が違うかもしれませんが、私の考え方と通ずるものがあると感じています。私は自分を「ぶりっ子です」とアピールしているので、私の周りにはぶりっ子好きな男性しか寄って来ないんですよ。でもそこには確かに需要があって、NYLON読者もこれだけ自分の個性を前面に出しているということは、その個性に惹かれる男性が集まると思うんです。相手に合わせる協調性も重要だとは思いますが、モテというのはそういうことだけではなく、自分の個性をちゃんと語れて、どれだけ相手を笑顔にできるかということも必要なんです。なので、好きなことは出し惜しみせずどんどん発信していく方がいいと思います!
-なるほど。新しい概念のようにも感じます。
モテる子ってポジティヴで自信がある子だと思うんです。私はもともと自分に自信がなくておしゃれもわからなかったので、いろいろな人の意見を聞きながら試してみることが多いのですが、NYLON読者は自分が持つ信念でファッションを楽しんでいるというイメージがあります。それが例え理解しがたいファッションだとしても、自信が持てる服を堂々と着ていることがいちばんモテに繋がると思います。
次のページ : 応援される人であるということが大切
Yuko Sugamoto/菅本裕子 1994年5月20日生まれ、福岡県出身。「モテるために生きてる!」と言い張る、通称「モテタレント」ゆうこすこと菅本裕子。元アイドルという経歴を持ちながら、そのモテるための貪欲な自己プロデュース能力の高さがSNSを中心に話題になり再デビュー。全国的に開催しているイベント「ゆうこすモテ教室」は常にチケットが入手困難になっている。また、YouTubeチャンネル「ゆうこすモテちゃんねる」も話題沸騰中。 Instagram :@yukos0520 |
ILLUSTRATION: BMAL
INTERVIEW: KAHO FUKUDA
DESIGN: SHOKO FUJIMOTO
WEB DESIGN: AZUSA TSUBOTA
CODING: NATSUKI DOZAKI