CULTURE
2020.04.23
It's Work Time vol.12 hair stylist Yusuke Morioka
夢を追い続ける全ての人へ発信するお仕事連載
様々な仕事があるなかで、ちょっと特殊な
お仕事をしている人にインタビューする人気連載。
今回は、ロンドンをベースに活動し、
NYLON JAPANをはじめ数多くの媒体から支持を得る
ヘアスタイリスト 森岡祐介に、これまでのキャリアから
ヘアスタイリストとしての姿勢について取材した
20代前半から憧れていたロンドン
アシスタント時代は行くのを半分諦めていた
−数々の撮影でヘアスタイルを作り続けている森岡さん。まず、ヘアスタイリストを目指したきっかけを教えてください。
中学3年生くらいの時が美容師ブームだったので、専門学校に入るまでは美容師を目指していたんですが、学校に入ってからヘアスタイリストの加茂克也さんが担当していたUNDERCOVERのショーを見て、ヘアスタイリストやヘアメイクの仕事があるっていうのを知って徐々にそっちへと興味が湧き始めました。卒業してからは美容師をしていましたが、ずっとヘアスタイリストを目指していましたね。
−美容師は何年くらいされていたんですか?
美容師は20歳から7年くらいです。結構長くやっていましたね。その後、ヘアスタイリストのアシスタントを約1年していました。でも、がっつり付いていたわけではなくて、アシスタントについて半年くらいでその方がNYにベースを移してしまったので、日本に帰ってきたタイミングでショーや撮影のお手伝いなどをしていたのでそういうのを含めて約1年くらいですね。
−その後ロンドンへ渡ったと伺いました。ロンドンに行こうと思った理由は?
20代前半の頃からずっと憧れていたんです。でも美容師時代は金銭面などが理由でいけなかったので、自分のなかでロンドンに行くことを半分諦めていたんです。 それに加え、日本でアシスタントに付いていた方が昔ロンドンをベースに活躍されていて、ロンドンの話をよく聞いていたので、この人に付いていれば実際に行くことができなくても、ロンドンの感覚も勉強できるかもしれないと思ったんです。でも、いろいろと学ぶ前にその方がNYに行ってしまうこということだったので、 ここしか行くタイミングがないと思い、ロンドンへ行こうと決心しました。
−ロンドンではどのような生活を送っていたんですか?
最初はワーキング・ホリデー(以下、ワーホリ)だったん ですよ。まずそれに向けて40万円くらい貯めました。ワーホリを2年間して、そこから1年間は学校に通っていたので学生ビザをとって、そのトータル3年の間でエージェントに入れることになって、ワークビザを出してもらうよ うになりました。
−最初はアシスタントからスタートされたんですか?
そこは本当にふわっとしているんですけど、もちろん人にもよりますが、付いた方は「空いてる時に来てくれ」みたいな感じだったんです。なので、自分のテストシュートをやりながら、その人の現場で新しいことを教えてもらいながら、そういう仕事のサイクルを半年くらいやっていて、自分の仕事が忙しくなるに連れてアシスタントとして減らしていきました。だから他の方よりキャリアステップは特殊だと思います。
−アシスタント時代に学んだことや心掛けていたことはありましたか?
付いていた人の気持ちを考えるとかですかね。日本にいた時に付いていた人は特に厳しかったんです。よく怒られながらやっていたので、気の使い方とか、周りにどう気を配るとか、みんなの気持ちを考えるっていうのを心掛けさせられました。結果的に独立した後もこれが活きてきたのかなと思いますね。
−ロンドンに渡ってもっとこうすべきだった、こうして正解だったなということは?
ヘアサロンを辞めたのが27歳で、そこから半年~1年くらい銀座のセットサロンで働いていて。そこでヘアセットをしていればヘアメイクの仕事に繋がると思っていたので、働きながら勉強していて、結局ロンドンに行ったのが30歳になる年だったんですよ。その分技術も身についたし、サロンワークもしっかりできたし、アシスタントも経験できたので、日本でしっかりベースが作れた からこそロンドンに行ってからもアシスタントもしつつ、 自分の撮影も早い段階で始められましたね。もっと早くロンドンをベースにできたら良かったですけど、そういうことを考えたらこれで良かったのかな。
次のページ : 映画や漫画、街なかを歩いている時 ...
森岡祐介/Yusuke Morioka
1984年、兵庫県生まれ。2014年に渡英、Hair Stylist Soichi Inagaki氏に師事。2016年にCoffin Inc(LONDON)に所属。2018年にはeight peace(TOKYO)所属となる。 国内外のファッション誌をはじめ、ブランドのキャンペーンビジュアルや、著名人のヘアスタイルを手掛ける。 |
ILLUSTRATION: ALICE BLOOMFIELD @Bl00MFIELD
INTERVIEW&EDIT: KAHO FUKUDA
DESIGN: AZUSA TSUBOTA
CODING: JUN OKUZAWA