幸せを感じるのは全て自分次第
1日3000回もの選択がある
—今ネガティヴな雰囲気が漂う世の中で、ポジティヴに生きることが大切であり、それを今号のテーマにも掲げています。アンミカさんのようなポジティヴマインドになるためのコツや、前向きに考えるためには何が大切でしょうか?
幸せを感じる心というのは全て自分次第だと思います。例えば、コップに半分水が入っているのを「半分しかない」と嘆くか、「半分も入ってる」とありがたいと思うのかで、その時の幸せ度が変わりますよね。“今その瞬間”を毎回幸せだと思って過ごせる人の1秒後、5秒後、1時間後、1日後は、ずっと幸せなはず。未来は今の想いの連続だから。なので、未来を憂う、過去に執着して恨んで怒って生きるより“今この時を幸せに過ごす”ことが、未来の幸せのために大切なのだと思います。人は1日のなかで、物事を最低約3000回選択しているそうです。朝起きて「二度寝しよう」と思うのか、「水を飲もう」と思うのか、「カーテン開けよう」と思うのか……。生活レベルでこうした選択が約3000回ある。そう思ったら朝バタバタして、イライラして出掛けるよりも、早起きして余裕を持って1日をスタートするために、“幸せ習慣”を毎朝実行しています。それはご先祖様、神棚、太陽、何でもいいので、無事に朝起きることができたことに感謝をして、手を合わせ、1日のスタートの無事と、会う人の笑顔をお祈りすること。すると1日が人生で心豊かなものになるから! こうした小さな工夫で幸せへの選択をすることで、約3000回も幸せになるチャンスがあるんです。そう思うと人生はチャンスだらけ! 楽しくなりませんか?
—ポジティヴになるように自分で選択していくということですか?
はい。その時々で感じる幸せ感や情報、物の考え方は、全部自分で選び取った結果です。ポジティヴで幸せになりたいなら、何となく生きる人生ではなく、小さな感謝を生活のなかに散りばめてみるんです。朝、洗顔する時も、笑顔で鏡を見てみようとか、誰かと目があったらニコッと笑ってみようとか、そういう前向きで心明るい選択肢を選んでいくと、当たり前に感じていた日常が、感謝で溢れ幸せなものになっていくんですね。自分の脳、思考のなかに、みんな自分が世の中を幸せにみることができる眼鏡を持っているはずなんです! みんなの脳のなかに幸せには、平等に幸せになる種があるはずです。
—どうしたら幸せを見つけることができますか?
“幸せは自分の心が決めること”シンプルです。幸せは私達の周りにたくさんあります。だから、自分の身の回りにある幸せに気付く心を育むこと。これに尽きます。私達が豊かな日本に生まれ、健康に美味しいものを食べて育ち、好きなことをする時間があり、仕事も自由に選べる。豊かな時代に豊かな国に生まれたことは幸せです。そこからは各家庭の問題などもあると思いますが、大人になれば、自分が選んだことをどう感じるかで、幸せを見つけるアンテナを育てられます。他と比較して、自分の足りなさに惨めさを感じたり、周りにどうにかしてほしいと依存して勝手に期待して、その通りにならなかったら腹が立つのは、幸せからは遠い感覚だと思います。 よく恋愛で、「私を幸せにしてくれる人を探してる」と言う人がいますが、先ずは自分が相手を幸せにしたいと思うことが大切だと思います。すると相手もその気持ちに感謝して「君を幸せにしたい」と思い、互いに幸せを築き合っていくなかに、打算や条件ではない、純粋な愛と信頼が強く強く育まれていくのです。もし相手が、自分を大切にしてくれないと思えば、気持ちを伝えて向き合う、もしくはお別れすればいいと思います。自分が幸せになりたければ幸せの種を自分から撒く。笑顔でいたければ自分から笑顔で接する。「誰かの笑顔が私の幸せ!」と、“今”をイキイキ楽しんで生きている人は、周りから見ても輝いている。そういう人にはいい人が集まってきて、きっと幸せになるはずです!
—常にポジティヴな気持ちでいるのは難しいのでは?
もちろん、一度ネガティヴな方を選んでみるのも大切だと思います。ネガティヴになったことがないと、ポジティヴのありがたみもわかりません。私も幼少期に差別や容姿のコンプレックスで超ネガティヴな子供だったからこそ、ポジティヴのありがたみと恩恵を感じられて、今幸せです。ネガティヴから発見があり、学びがあり、反省して、またより良い道を選んでいけたら、それはポジティヴになるためのネガティブになります。暗闇だからこそ、光のありがたみがわかります。なので、時に人は暗闇の経験も必要だと思います。ネガティヴの悪いバージョンは、失敗を恐れて何もせず逃げ回ったり、失敗を人のせいにして向き合おうとしないことです。失敗したと感じたなら、反省して迷惑をかけた相手には誠意を持って謝って、そこからまた、周りも自分もハッピーになる方法を選び取っていけばいい。人生はいくつになっても選択の連続です。私もこのインタビューの5分後には自分の心がネガティヴな方向に行ってしまうかもしれません。そしてその責任を自分で取る必要が出てくるかもしれません。でも1日に約3000回ピンチを立て直す瞬間があるのだから、自分や周りが幸せになる練習を毎日約3000回ずつしていけるんだと捉えて、毎回、心を立替えて行ってはいかがでしょうか? そう考えると、ネガティヴは、幸せになるための寄り道だと捉えられて、気が楽になりませんか?
—ネガティヴをポジティヴに切り替えるには?
常に自分を客観的に見ること、そして周りの笑顔が自分もうれしいという心を育むことです。接する相手が片思いしてる大好きな人だと思えば、その人に好かれようと思って、みんな笑顔を作ったり姿勢を良くしたり、優しい声で話したりと頑張りますよね? 日々、どんな人にも同じ温度でこれができるような自分であるように、周りにいる人達を大切に生きるんです。そのためには、まずは自分がされてうれしかったことを人にしてあげる。すると周りは自然と笑顔に溢れ、その笑顔を目にするあなたも笑顔になり、笑顔は伝染していきます。次に自分を大事にすること。自分の心身に耳を傾けて、自分の心と体に関心を持つ。自分を大切にしていないと、周りに優しくしてあげる余裕も生まれないと思います。
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アン ミカ
1975年3月25日生まれ。韓国出身、大阪育ち。1993年にパリコレに初参加以後、モデル業以外でも、テレビ、ラジオ、講演会、歌手、ドラマ出演のほか、漢方養生指導士、野菜ソムリエなど多数の資格を生かし、化粧品、洋服のプロデュースなど多方面で活躍中。著書「アン ミカ流ポジティブ脳の作り方 365日毎日幸せに過ごすために」(宝島社)などがある。 |