CULTURE
2020.01.06
It's Work Time vol.9 fortune teller/comedian Shuhei Shimada
夢を追い続ける全ての人へ発信するお仕事連載
憧れの仕事の極意に迫るインタビュー連載。
今回は、占い師芸人として活躍する島田秀平を取材。
そこには、1,000人以上もの芸能人の手相を見てきたなかで
培ってきた話の引き出し方があった。
占いについてはもちろん、
心理学から得た聞き上手になる秘訣を伺う。
手相には全く同じ人がいない
だからこそ面白さがある
-島田さんといえば数多くのテレビで手相占いをされているのを拝見します。占いを始めたきっかけが原宿の母に導かれて、と伺いましたが?
原宿の母(以下母)は占い師の他に、昔からデザインの学校でファッションショーを手掛けていたんですよ。その時に「普通にファッションショーするだけじゃつまらないからお笑い芸人を呼ぼう」という話になったみたいで。当時コンビを組んでいて僕達の身長が185cmくらいあって背だけ高かったんですね。それを見て母が「この芸人さんならモデルもできそうだから呼んでみて」と母のファッションショーに呼ばれたのが出会ったきっかけなんです。そこで実際にお会いした時に「あなたちょっと占いに向いてそうだから教えてあげるよ」と言われまして。
-もともと占いには興味があったんですか?
正直占いとか好きじゃなかったんですよ。なんかうさん臭いなというか、血液型占いで4パターンに分けられたり、星座占いで12パターンに分けられたりするけど、「そんなわけないじゃん!」と思っていて(笑)。教わりに行くとご飯を食べさせてくれたり、本当のお母さんのように僕のことを可愛がってくれたので、最初はご飯目当てで行っていたんですけど、「占いや手相は5000年前に古代インドで生まれて、こういう人にはこういう線があったっていう統計学なんだよ」と聞いた時に、「あ、ちょっと面白いな」って思うようになって。手相だけは全く同じ人がいないじゃないですか。それをいちばん実感してハマったきっかけの1つが後輩芸人のザ・たっちの2人なんですけど、彼らは一卵性双生児で名前の字数も同じなんです。生年月日、字数、DNAは一緒なのに性格が全然違うんですよね。お兄ちゃんのたくやは努力型で、弟のかずやは天才型・直感型。手相を見てみたら双子なのに手相が全く違う! なかでもびっくりしたのはかずやのほうだけ人気線が入っていて、事務所の人から「弟のほうにだけファンレターが届くんですよ。それに、弟だけ学生時代に彼女がいたんです」と聞いて衝撃だったんですよね。同じ顔で同じ環境で育っているのに、手相ってすごいなって思ってからどんどんハマっていきました。
-手相だけでそんなに明確に違いが出るんですね! 手相によってその人の向き不向きもわかるんですか?
母から教わった時に思ったのが、人間は手を自在に扱えて道具が作れるように進化していったから、手のシワってその人の手の動かし方の癖なんですよ。例えば、ずっと「悔しい」と思って手を握っている人は横線が多いかもしれないし、美容師さんは毎日ハサミを使っているからそういう手の動き方から出てくる線もあると思うんですよね。だとすれば、美容師をやっていなくてもその線があるということは美容師と同じ手の動かし方が得意だということですよ。大工さんに一流大工の手相がある人は大工をやっていなくても、大工の作業がこなせると思います。
-具体的に手相占いはどう習得されましたか?
占星術とか生年月日とか画数とかいろいろ見ているんですけど、結局手相がいちばん面白いなと思いました。最初は母に教わりながら、自分でも“手相”と名がつく本を全部読み込んで、その後はインプットしたものをいろんな人の手を見ながら伝えていくという感じでした。新宿とかで地べたに座って「手相を見せてください」ってタダでいろんな人の手相を見ていたりもしていましたね。後は、芸能人の方って結構変わった手相の方が多いので、先輩の現場について行ってゲストで来た方達の手相を見させてもらったりとか。そうやってデータを溜めていったって感じですかね。
-なかでも大成されている方や強運の人によくある手相は?
よくあるのは、横一直線である「ますかけ線」、天下取りの相とも言うんですけど。縦線は運命線と言って、社会で成功するといういい線です。後は運命線、金運線、財運線で三角形があると覇王線、億万長者の線とかがありますね。
-手相のことを掘り下げていくと、占いだけではわからない部分もたくさん出てきて面白いですね。
手相を見ていると本当に面白いんですよね。特に僕が面白いと思ったのが、手相はインドで誕生して、その後東洋と西洋に分かれていくんですけど、西洋では社交界で使われてきたから恋愛運とかが得意で、東洋では健康や勝負運とかが得意なんですよ。西洋のサイン文化と比べて東洋は手形文化ですよね。なんで手形文化なのかというと、一説によると昔から権力者には占い師がいて、書状でやりとりをする時に横にいる占い師が手形から手相を見て「こいつは強い」、「この人そろそろ狙い時だから攻めてみましょう」みたいなやりとりをしていたから手形文化が発達したんじゃないかという話もあります。
-よく手相を書くとその運を手に入れられると聞きますが。
僕は書いてもそんなに意味ないと思うんです。手相というのは変わるものなので。でも、韓国では手相の整形があるんですよ。以前オリエンタルラジオのあっちゃん(中田敦彦)は番組のロケで韓国に渡って手相の整形手術で覇王線を入れているんです。実際に見せてもらって話を聞いたんですけど、「手って神経がたくさんあるし、傷も治りにくいからやらなきゃよかった」って後悔していて。でも結果的にPERFECT HUMANになったので、なんとも言えないなと思いました(笑)。
-右手と左手では見方が違うと聞きますが、島田さん的占術の場合はいかがでしょうか?
これは流派にもよるので様々ですが、一応僕の見方としては右手が生まれ持った才能で、左手が今現在を表すという見方をしています。本当は両手を見たいところですが、僕の場合は基本的に左です。
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島田秀平/Shuhei Shimada
1977年12月5日生まれ。ホリプロコム所属の手相占い師芸人。1,000人以上の芸能人の手相を鑑定した。ユーモア溢れる「島田流手相術」が人気となり、テレビ・雑誌などで精力的に活動中。2019年8月1日よりYouTubeチャンネル『島田秀平のお怪談巡り』がスタート。登録者数5万人を突破する。(2019年12月現在) |
COLLAGE: NATSUMI IHARA @ihara_natsumi
INTERVIEW&EDIT: KAHO FUKUDA
DESIGN: AZUSA TSUBOTA
CODING: JUN OKUZAWA