CULTURE
2013.05.31
『パパの木』
悲しいときは悲しんでいい、ぎゅっと抱きしめてくれる温かい映画 |
監督・脚本 |
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自分の身に起きた悲しい出来事を考えるだけで、何も手につかずに一日が過ぎてしまう。その悲しみの原因は失恋かもしれないし、愛する人との死別かもしれないし、他のことかもしれないし、人それぞれ。少し前まではあんなに輝かしい日々を生きていたのに、何もかもが絶望にしか見えなくなる……人生のなかでそういう瞬間は何度か訪れるものだ。 シャルロット・ゲンズブール主演の『パパの木』は、オーストラリアの大自然のなかで暮らすある家族に起きた悲しい出来事を描いた感動作。ある日、突然心臓発作でこの世を去ってしまったパパ。最愛の夫を亡くした妻、最愛の父親を亡くした子供たち、それぞれの視点から悲しみをどう乗り越えていくのかが紡がれる。 落ち込む日々があっていい、何かに頼ってもいい、でも、生きている人間は前に進まなければならなくて──。この映画には、悲しみを受け止めて乗り越えるための、優しくも力強いヒントがある!
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text rie shintani