CULTURE
2013.07.19
『シャニダールの花』
花の美しさと綾野剛の憂いに惑わされる |
監督 |
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選ばれた女性たちの胸に謎のつぼみが宿り、やがて鮮やかな花を咲かせる? なんともファンタジックな話だけれど、その世界観は不思議で、美しくて、どこか狂気をはらんでいて、気がつくと“花”の正体を追いかけてしまっている──『シャニダールの花』は言いようのない魅力を持った映画だ。
謎の花を淡々と研究する植物学者の大瀧役が綾野剛だというのもいい。最初は生物学的なアプローチで女性たちの胸に咲く花を研究していた大瀧だが、新人アシスタントの響子(黒木華)と出会い、愛し合うようになった彼女が花にのめり込みでいくことで彼も花に狂わされていく。そんな男の憂いを綾野剛が何とも魅惑的に演じている。 魅惑的な花と魅惑的な綾野剛、どちらも女の感性を刺激してくれるはず!
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text rie shintani