CULTURE
ホアキン・フェニックスの演技に引き込まれる!『ジョーカー』
『ジョーカー』
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「ものすごいものを観てしまった……!」と、ホアキン・フェニックスの想像を絶する演技に感動して、心優しい平凡な男が悪のカリスマに変貌するさまに胸が苦しくなって、大きな衝撃を受ける。映画『ジョーカー』は、強烈に心を揺さぶってくる。
タイトルの“ジョーカー”とは、アメリカのDCコミック『バットマン』に登場する架空のスーパーヴィラン(悪役)のことで、映画としては──『バットマン』(89)ではジャック・ニコルソンが、『ダークナイト』(08)ではヒース・レジャーが、『スーサイド・スクワッド』では(16)ジャレッド・レトが、そして『ジョーカー』ではホアキン・フェニックスが演じている。
ただ、本作においてジョーカーはヴィランとして登場するのではなく、ジョーカーというヴィランはどのようにして生まれたのか? DCコミックのキャラクターに基づくオリジナルストーリーとして、ジョーカーの原点、ジョーカーの成り立ちが描かれる。
物語の舞台は1980年初頭のゴッサム・シティ。格差が広がり、コミュニティが分裂し、そこに追い打ちをかけるようにしてゴミ収集業者のストライキが長引き、街は混迷を極めていた。主人公のアーサー(ホアキン・フェニックス)は、人を笑わせることに喜びを感じコメディアンを目指していたが、無意識に異様な笑い声を立ててしまう発作をもっていることで、出会う人々からはひんしゅくを買い、社会からつまはじきにされ、追い込まれていく。
多くの映画は、どんなに貧困でも苦しい立場に置かれていても、希望は必ずあると光を描いてくれるものだが、『ジョーカー』はそれには当てはまらない。しかもゴッサム・シティで起きていること──貧困者への支援が行き届かず社会保障は削減される、そんな弱者に無関心な社会、不穏な社会は他人事とは思えない世界でもあって……。『ジョーカー』から受けとる衝撃には、いまを生きる人すべてに必要な衝撃=考えるべきコトが詰まっている。見逃してほしくない1本だ。
衝撃度 |
★★★★★
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絶望度 |
★★★★★
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傑作度 |
★★★★★
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監督・製作
トッド・フィリップス
出演
ホアキン・フェニックス
ロバート・デ・ニーロ
ザジー・ビーツ
配給
ワーナー・ブラザース映画
10月4日(金) 全国ロードショー
©2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
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