CULTURE
自分がもう1人いる?『ゲット・アウト』監督の最新作ホラー『アス』
『アス』 |
この世の中で怖いものは何? と聞かれたら何と答えますか? 恐怖を感じるコトやモノは人それぞれ異なると思いますが、全員に共通する怖いものがあるとしたら……。
『ゲット・アウト』で衝撃的なホラーを送り出したジョーダン・ピール監督が次に描くホラーは、すべての人が、もしも“それ”が自分に訪れたら? と考えずにはいられない映画『アス』。何がそんなに怖いのか──。
キーワードは“もう1人の自分”です。
物語の舞台は1986年のカリフォルニア州サンタクルーズ。子供だったアデレードはビーチで迷子になり、遊園地のミラー・ハウスで恐怖を体験します。それは鏡に映っていたのは自分ではなく、自分にそっくりな少女だったということ。時は流れて現在。大人になったアデレードは、子供の頃のトラウマを抱えながらも夫と2人の子供と幸せに暮らしていましたが、ある日、自分たちとそっくりな“わたしたち”がやって来て……。
“わたしたち”って一体誰なの? なぜ襲われるの? その世界は現実なの? それとも妄想の世界なの? いろいろな「?」が浮かび上がります。怖いのはパラレルワールドでもなくバーチャルワールドでもなく、現実世界で起きている設定であること。誰だって、目の前に突然自分とそっくりな存在が現れて襲ってきたら、驚きます、震え上がります。
この映画はジョーダン・ピール監督が作り出したオリジナルストーリーです。監督いわく「“最大の敵は自分”という着想からこの映画は生まれた。自分なりの解釈による邪悪な分身(ドッペルゲンガー)について描きたかった」そうで、主人公たちが分身と対峙し、生き残るための戦いが描かれます。
非現実的なホラー映画の場合、映画館を出るときは「怖かったねー!」という、エンタメの延長にある怖さが残りますが、『アス』の場合は加えて「本当に自分の分身が現れたら……!?」じわじわと後引く怖さがあるのです。『ゲット・アウト』を紹介したときも書いたことですが、せっかくのオリジナルストーリーですから、新鮮な驚きを存分に味わうためにも事前情報は少なめで映画館へ!
ホラー度 |
★★★★★
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先が読めない度 |
★★★★☆
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笑いもある度 |
★★★☆☆
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脚本
ジョーダン・ピール
製作
ジョーダン・ピール
ショーン・マッキトリック
ジェイソン・ブラム
イアン・クーパー
出演
ルピタ・ニョンゴ
ウィンストン・デューク
エリザベス・モス
ティム・ハイデッカー
シャハディ・ライト・ジョセフ
エバン・アレックス
配給
東宝東和
2019年9月6日(金)全国ロードショー
©Universal Pictures
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