CULTURE
“つばめ”が“星ばあ”に出会ったら?『宇宙でいちばんあかるい屋根』
『宇宙でいちばんあかるい屋根』
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「時間っていうのはもっと気持ちよく使え」「後悔は行動してからしろ」「お前もしぶとく生きろ」──これは、この映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』に登場する“星ばあ”(桃井かおり)が、14歳の少女・つばめ(清原果耶)に向けて放つセリフです。映画を観る前であっても、なんだかいいセリフだなぁと感じますし、実際に映画を観ているときは、つばめに向けられたセリフではありますが、まるで自分にも向けられているような気がして、元気がでる、勇気がでる、とても素敵なセリフなんです。
物語は、つばめと星ばあが偶然に出会うところから始まります。家にも学校にも自分の居場所はないんじゃないか……と、生きづらさを感じていたつばめにとって、唯一やすらげる場所、お気に入りの場所が書道教室の屋上で過ごす時間でした。ところがある日、自分だけの憩いの場所だと思っていたその屋上に、老婆・星ばあがやって来るように。最初は、自由きままな星ばあのことを苦手だと思っていたつばめですが、会話を交わすなかで、次第に、自分が抱えている悩み、誰にも言えずに心に仕舞っていた悩みを打ち明けるようになっていきます。
つばめは、優しく支えてくれる父(吉岡秀隆)と、明るく包み込んでくれる育ての母(坂井真紀)、2人の間に赤ちゃんが生まれることをどう受け止めるのか。想いを寄せている、隣に住む大学生の亨(伊藤健太郎)に気持ちを伝えることはできるのか。そして、つばめの前に現れた星ばあは一体何者なのか。描かれるのはごくありふれた日常の世界ですが、空を舞う!?星ばあの不思議な存在感によって日常がファンタジックにも映し出され、気づけば映画の世界に入り込んでいる──。観る者の疲れた心をやさしく包みこんで、自分の足で歩いていけるように導いてくれるような、めちゃくちゃあったかい映画です。
また、この映画の監督・脚本は、2019年に日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた『新聞記者』の藤井道人監督。注目されている若き俊英の新作という意味でもチェックしてほしい!
年の差友情度 |
★★★★★
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つばめの成長度 |
★★★★☆
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星ばあ語録が響く度 |
★★★★☆
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脚本・監督
藤井道人
出演
清原果耶
伊藤健太郎
桃井かおり
水野美紀
山中 崇
醍醐虎汰朗
坂井真紀
吉岡秀隆
配給
KADOKAWA
©2020「宇宙でいちばんあかるい屋根」製作委員会
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