CULTURE
ビョルン・アンドレセン、知ってますか?『世界で一番美しい少年』
『世界で一番美しい少年』
|
美しさとは何でしょうか。その姿形に心を奪われて、いつまでも見ていたいと思うことを、私たちは「美しい」という言葉で表現します。今週ピックアップしたドキュメンタリーは、タイトルにもあるように、誰もが釘付けになってしまうであろう「美しさ」を持った少年の栄光と破滅、何とも皮肉な運命を映し出しています。
世界で一番美しいと言われたその少年の名前は、ビョルン・アンドレセン。巨匠として映画史に名前を刻むルキノ・ヴィスコンティに見いだされ『ベニスに死す』(71)に出演。映画のなかで美少年タジオとして初老の芸術家の心を虜にしたように、ビョルンは世界中から注目を浴びることになります。
何者でもなかった少年が、その美しさによって瞬く間にスターダムへ。日本との関わりもあり、来日時の映像もありますが、その熱狂は凄まじいものでした。彼自身がもともと俳優を目指していたのであれば、ヴィスコンティとの出会いも、その後の注目も大きなチャンスだったと思いますが、そうではなかった。むしろ破滅への入口だったのです。何があったのか──真実がこのドキュメンタリーで明らかになります。
本作を観る前でも後でもいい、彼の人生を変えた『ベニスに死す』と、50年後の彼が出演する『ミッドサマー』(19)も必見です。『ミッドサマー』は前代未聞の“フェスティバル・スリラー”として話題になったので、観たという人も多いかもしれないですが、崖から飛び降りるダンという老人を覚えているでしょうか。彼が、50年後のビョルンです。『ベニスに死す』のあの美貌を『ミッドサマー』では無残に砕かれる。2つの映画に繋がりはないですが、このドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』を観た後にもう一度2作を観ると、『ミッドサマー』でビョルンが抱えていたものが解放されたようにも捉えられた。そんなふうに見方が変わるほどこのドキュメンタリーは衝撃に満ちています。
ビョルン・アンドレセンが背負ってしまった運命に衝撃を受けつつも、それでもやはり彼を美しいと思ってしまう。そして、どうしようもなく美しいと思うことで “美”とは何かを考える。とても深いドキュメンタリーです。
ビョルンはやっぱり美しい度 |
★★★★★
|
ベルばらのモデルでびっくり度 |
★★★★☆
|
現在の音楽活動を応援したい度 |
★★★★☆
|
|
監督
クリスティーナ・リンドストロム & クリスティアン・ペトリ
出演
ビョルン・アンドレセン 『ベニスに死す』(71) 『ミッドサマー』(20)
12月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次公開
© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021
|
RECOMMEND
2024年上半期の運勢占いをニイナ・ゲイトがお届け! ハッピー・ホロスコープ <射手座・全体運>
ファッショニスタの一大イベント、GirlsAward 2014 SSが開催決定!
NYLONブロガーmariaが主催するアート&コミュニティイベント『TINYZINE』のライヴコマースイベントが5/1に開催♡
CULTURE NEWS
国内最大級のヒップホップフェスティバル『POP YOURS』が 幕張メッセにて開催決定!
ペアで撮影したい韓国の最新フォトブースがかわいすぎる♡–韓国HOT NEWS 『COKOREA MANIA』 vol.438
坂東龍汰の繊細な演技が光る『君の忘れ方』