CULTURE
ウェス・アンダーソン監督はいつだって想像を超えてくる!『フレンチ・ディスパッチ』
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
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ウェス・アンダーソン監督が創り出す世界観は、新作ごとに「何この世界観!」と驚かされるだけでなく、自分もその世界に入り込みたい、その世界の住人になってみたい、毎回ワクワクさせられます。
そんなウェス・アンダーソン監督の最新作にして、記念すべき長編10作目となるのが、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』。何とも長いタイトルですが、“フレンチ・ディスパッチ”という雑誌と編集者と彼らにまつわる人たちのお話です。
舞台は、20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部。扱う題材は、国際政治からアート、ファッション、美食に至るまでさまざまで、名物編集長によって選りすぐりの記者たちが活躍しています。物語は、編集長の急死から始まります。彼の遺言によって廃刊を迎えることになり、追悼号となる最終号に掲載された、1つのレポートと3つのストーリーが描かれ──。
1つのレポートと3つのストーリーが展開するなかで驚かされるのは、次から次へとセットが変わっていくこと。なんと約130!の異なるセットが出てくる(ウェス・アンダーソン作品のなかで最も多い数字!)。モノクロからカラーになったり、ワイドからスタンダードの画角になったり、喜劇もあればロマンスもある、もう映し出される映像の情報が魅力的すぎて、スクリーンに目が吸い寄せられっぱなしの1時間48分です。しかもウェス作品ではお馴染みの俳優から初参加俳優まで主役級の俳優がズラリと顔を揃えていて、贅沢すぎます。
ただ、物語を構成する個々のエピソードは、ほどよく個性的な作風なので、物語自体を完璧に理解しようとするのではなく(理解しようと必死になると映像を見逃してしまう危険もあるので……)、ウェス・アンダーソン監督の世界に迷い込んで、テーマパークで楽しむような感覚で観たほうがいいかもしれません。
とにかく、ユニークです、お洒落です、想像を超えてきます。ウェス・アンダーソンという方程式の奥深さと楽しさは本当にクセになります!
情報量の多さ度 |
★★★★★
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豪華キャスト度 |
★★★★★
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何度も観たい度 |
★★★★★
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監督・脚本
ウェス・アンダーソン
出演
ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシ
ス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、リナ・クードリ、ジェフリー・ライト、マチュー・アマルリック、スティーヴン・パーク、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ノートン、
ジェイソン・シュワルツマン、アンジェリカ・ヒューストンほか
配給
ウォルト・ディズニー・ジャパン
2022年1月28日(金)より全国公開
©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
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