CULTURE
Siaの情熱と感性と才能が映画に!『ライフ・ウィズ・ミュージック』
『ライフ・ウィズ・ミュージック』
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「映画監督になりたいわけじゃないし、もう(今後)映画を作る予定もない。私はこの映画が作りたかったの」(Sia)
ステージでは素顔を見せない“顔なきポップスター”として活躍する、シンガーソングライターのSia。この『ライフ・ウィズ・ミュージック』は、彼女の初の映画監督作品にして原案・脚本・製作も手がける、特別な映画として世に送り出されました。
主人公は、アルコール依存症でリハビリテーションプログラムを受けながら孤独に生きるズー(ケイト・ハドソン)。祖母の急死によって、長らく会っていなかった自閉症の妹・ミュージックと暮らすことになります。
再生を題材にした物語は決して珍しくはないですが、この映画の場合は──Siaの実体験がベースになっている、12曲もの劇中歌を彼女が書き下ろしている、そしてカラフルでポップでユニークな映像と共に紡がれる音楽シーンが登場人物の心情を代弁している。Siaにしかできない唯一無二の表現がたくさん詰まっている、それは特別です。感情を、心情を、こんなふうに音楽と映像で表現するのね!と、驚かされます。
Siaの実体験というのは、彼女自身がかつて薬物やアルコール依存症に陥り、自殺を試みるほど絶望したこと。友人や音楽、愛すべき存在の力によって救われたこと。そんな苦しみを乗り越えてきた自身の半生を映画の主人公ズーに託しています。
また、Siaが依存症者のための集会に参加したとき、そこで働くひとりの女性との出会いによって、この物語の1ページが動き出したそうです。それは自閉症の息子を育てる母親のひと言──「私がいなくなったら、 誰がこの子を愛してくれるのかしら……」。その時、我が子を想う母の愛に衝撃を受けたのです。
Siaがこの映画で伝えたかったことは「愛」と「繋がり」。人は苦しみが続くと「自分なんて……」と自分を愛することを忘れてしまいがちですが、自分自身を受け入れることで、自分自身を愛することで、他者を愛することに繋がっていく。ズーとミュージックの姉妹が、生きていくうえでとても大切なことを教えてくれます。もちろん、音楽シーンはワクワクが止まらないほど心躍ります!
13年の歳月をかけた渾身作度 |
★★★★☆
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音楽シーンが独創的!度 |
★★★★☆
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音楽と人間ドラマの融合度 |
★★★★☆
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監督・製作・原案・脚本
シーア
出演
ケイト・ハドソン(『あの頃ペニー・レインと』)、マディ・ジーグラー(Sia「シャンデリア」MV)、
レスリー・オドム・Jr.(ミュージカル「ハミルトン」)
配給
フラッグ
2月25日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
© 2020 Pineapple Lasagne Productions, Inc. All Rights Reserved.
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