CULTURE
2014.04.18
『チョコレートドーナツ』
こんなにも愛に満ちた映画は滅多に出会えない |
監督 |
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見た目は大事! ではあるけれど、外見がどんなに可愛くてもどんなにお洒落でも「中身が……」と言われたら格好よくはない! 中身がともなってこそ本当の格好いい人。今週紹介する映画『チョコレートドーナツ』は、そんな中身(=心)に響いてくる、愛とは何かを問いかけてくる感動の人間ドラマ。タイトルから「チョコレートとかドーナツとかにまつわる話?」「なんかカワイイ映画かも?」と想像するかもしれないけれど、それはきっと素敵な裏切りとなるはず。 母親の愛を知らずに見捨てられたと同然の少年マルコは、偶然か運命か、自然と引き寄せられるように出会ったルディ(アラン・カミング)とポール(ギャレット・ディラハント)のゲイカップルと一緒に暮らすことになる。血が繋がっていなくても、マルコがダウン症でも、法律が許さなくても、3人は幸せな時間を過ごしていたが、周囲はそれを認めなかった……。 1970年代のアメリカで起きた実際の出来事をもとにしたこの映画。ダウン症、同性愛、偏見、差別という重いキーワードもたしかにある。でも、それ以上に本当の家族はどういうものなのか、本当の愛とはどういうものなのかを突きつけてくる。自分がどう見られようとも愛する人のためを優先させるのが愛の力なんだなと、深く、深く、感動。切なすぎて、悲しすぎて泣いてしまうかもしれないけれど、観終わった後の心はものすごい愛で満たされている。一生ものの映画。
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text rie shintani