CULTURE
2014.05.23
『オー!ファーザー』
面白さ保証のサスペンスコメディ |
製作総指揮 |
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『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』『重力ピエロ』など、これまで数多くの小説が映画化されている人気作家・伊坂幸太郎。小説も面白い、映画も面白い、だから毎回期待してしまう! というわけで、映画化として10作目となるサスペンスコメディ『オー!ファーザー』も、やっぱり面白くて、気づくと自分自身もストーリーの住人になったかのような気分になって、ハラハラドキドキ、映画の中へ──。 主人公はどこにでもいるフツーの高校生・由紀夫(岡田将生)。同級生の不登校、町のフィクサーがハメられた詐欺事件、そのフィクサーのカジノでの鞄すり替え現場……に偶然居合わせたことで、次第に危険な状況になっていくというサスペンスに引き込まれながら、由紀夫には“4人!”の父親がいるという、フツーじゃない家庭環境で繰り広げられる家族ドラマがとてもユニーク。現実的に「それはどうなの?」と、たとえ思ったとしても、いつの間にか4人の個性的な父親に愛されている由紀夫が羨ましくなっているから不思議。 母親が四又かけていたことで出来上がったちょっと奇妙な家族──博学の大学教授・悟(佐野史郎)、気さくなギャンブラー・鷹(河原雅彦)、関西弁の体育教師・勲(宮川大輔)、元ホストのジェントルマン・葵(村上淳)と、この4人の父親たちに育てられた由紀夫。たとえ血のつながりがないにしても、家族に必要なのはそこに愛があるかどうか。こういう家族もありだね、いいよねって、ものすごーく幸せな気持ちになるはず!
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text rie shintani