CULTURE
2015.04.17
『インヒアレント・ヴァイス』
ポップでハチャメチャなラブが詰まった傑作! |
監督・脚本 |
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ポール・トーマス・アンダーソン監督(通称PTA)の最新作と聞いて飛びつくのはわりと映画ツウの人です、多分…。ですが、アンダーソン監督の名前にピンとこなくてもファッション好きな人はおそらく『シガレッツ&コーヒー』とか『パンチドランク・ラブ』とか『マグノリア』あたりのタイトルで「あっ」と思うのではないでしょうか。ちなみにPTAがどれだけ凄い監督かというと、これまでに撮った長編映画は7本なのにアカデミー賞には5回ノミネート、世界三大映画祭の監督賞を制覇しているんです。というわけで、PTAの新作は否応なしに注目されちゃうというわけです。 今回の『インヒアレント・ヴァイス』は70年代のポップカルチャーな世界を舞台にした探偵サスペンス。ヒッピー探偵ドック役のホアキン・フェニックスをはじめ登場人物すべてがオスカー俳優&個性派俳優、おまけにキャラが濃すぎで妄想なのか現実なのか何なのかわけが分からなくなりそうなほど賑やかですが、ドックが愛する元カノのシャスタ(キャサリン・ウォーターストン)のためにある事件を解決しようとする話、愛の話──というベースをしっかり頭に置いておけば、あとはもうぶっ飛びキャラとポップな世界感を満喫すればOKです。 インヒアレント・ヴァイス=物事に内在する欠陥、なんていう小難しいタイトルが付いていますが、この映画は世界感を堪能した者勝ち、カラフルでいかした世界を楽しんじゃってください!
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text : rie shintani