CULTURE
2015.04.24
『Mommy/マミー』
グザヴィエ・ドラン、知ってますか? |
監督 |
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この映画『Mommy/マミー』の監督はグザヴィエ・ドラン。映画界では、彼が19歳の時に監督したデビュー作『マイ・マザー』がいきなりカンヌ国際映画祭(監督週間部門)で上映され若者の視点賞を受賞したことで、若き天才が出てきたぞ! と注目の存在になった人です。そして、監督デビューからコンスタントに作品を撮り続け──『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』──そのいずれも高い評価を得ただけでなく、映画界を超えて注目の若者、話題の若者として「グザヴィエ・ドランって、知ってる?」と、ジワジワとその名が浸透しています。 現在、26歳。すごい若者、すごい監督の5作目となるのが『Mommy/マミー』。2014年のカンヌ国際映画祭のコンペに出品され審査員特別賞を受賞したときのスピーチがとても感動的で、もちろん映画そのものにも感動させられます。ADHD(多動性障害)の息子スティーヴ(アントワン=オリヴィエ・ピロン)と母ダイアン(アンヌ・ドルヴァル)、彼らの隣に住む女性カイラ(スザンヌ・クレマン)、この3人の交流を描いた決して特別ではない物語ですが、母と息子の間にある深い愛と葛藤、そこに絡み合う友情に心揺さぶられてしまうんです。 また、この映画の特徴はスクリーン画面の比率が1:1、正方形であることです。ドランいわく「この比率からは一種独特なエモーションが生まれる。空間が限られているから余計なものは付け足せない。キャラクターが主役になり目が離せなくなる」。その言葉とおり、映画を観終わったあとはきっと「なんて凄い映画を作るんだ…」と、グザヴィエ・ドランのそこはかとない才能に驚くはずです。
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text : rie shintani