CULTURE
2015.06.26
『ハッピーエンドが書けるまで』
どんなに傷ついても悩んでも、恋したい! |
監督 |
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つらい恋を経験すると、あんな想いをするくらいならもう恋なんてしなくていい、本気で誰かを愛するなんてしたくない──臆病になって新しい恋に踏み出せないこと、ありますよね。 リリー・コリンズ主演の『ハッピーエンドが書けるまで』の主人公サマンサもそのひとりです。ただ、彼女の場合は恋に臆病になる以前の問題、愛を信じられなくなっているというやっかいなパターン。それは両親の離婚が原因。他の男に走って自分たちを捨てた母エリカ(ジェニファー・コネリー)、彼女のことが忘れられなくて3年経っても帰りを待ち続け、おまけにこっそり様子を見に行く父ビル(グレッグ・キニア)。愛し合っていた者同士が別れていく姿を目の当たりにしたサマンサは、だったら恋なんてしなくていい、愛なんて信じない……と、かなり否定的。そして弟のラスティ(ナット・ウルフ)はちょっぴり問題を抱えた女の子との初恋に悩み中。この一家はみんな恋と愛に迷っているんです。 彼らがどうやって恋と愛に向きあっていくのかが描かれ、どの恋にもキュンとさせられます。なかでも“恋愛なんて!”とカチカチに固まったサマンサの心を解きほぐしていく同級生のルイス(ローガン・ラーマン)がものすごく好青年でステキなんです。逃げるサマンサ、追いかけるルイス、恋する男女の典型的な構図ですが、ルイスの真っ直ぐさで深い愛によってサマンサが少しずつ変わっていくのを見ていると、恋っていいなぁと思うわけです。 この映画の監督&脚本は『きっと、星のせいじゃない。』のジョシュ・ブーン。『ハッピーエンドが書けるまで』は彼の長編映画監督デビュー作、『きっと〜』で泣いてしまった人は(まだ観てない人ももちろん)、この映画でも泣きます! 恋したくなります!
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text rie shintani