CULTURE
2015.07.17
『インサイド・ヘッド』
頭のなかを覗いたら、そこにはすごい世界があった! |
監督 |
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楽しい日もあれば悲しい日もある。人は毎日さまざまな感情と向きあって生きていますが、その感情はいったいどこから生まれてくるのか? 感情そのものについて考えることってなかなかないものですよね。ディズニー/ピクサーの新作『インサイド・ヘッド』は、ありそうでなかった、誰もが持つ感情にスポットを当てた物語。 主人公は11歳の女の子ライリー。彼女の頭のなかには〈ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、カナシミ〉という5つの感情たちが存在し、ライリーがしあわせに暮らせるよう日々奮闘しています。ヨロコビのおかけで楽しい気持ちになったり、苦手なものが目の前に現れたときはムカムカによって拒絶できたり、それぞれに役割があるんですね。でも、カナシミの存在理由ははっきりしていなくて……ある日、5つの感情たちの間でもめ事が起き、頭の中の司令部からヨロコビとカナシミが放り出されてしまいます。 ヨロコビとカナシミが司令部から消えてしまったライリーは、怒りっぽくてイライラしっぱなし、不安だらけの性格に! そんな彼女を見ていると、自分自身がイライラしてしまうのも頭のなかでイカリやムカムカが指示を出しているのかもしれない……と、まるで自分の頭のなかを覗いているようでもあるんです、この映画。また、自分の感情だけでなく、周りの人の感情に対しても──いま、この人が怒っているのは頭の中でイカリが主導権を握っているからかなぁと考えると、すごく面白くて妙に納得! そして、物語としてはライリーが再び笑顔になれるようにヨロコビとカナシミが司令塔に戻るまでの冒険が描かれ、ラストに用意されているカナシミの存在意義に感動しちゃいます。
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text rie shintani