CULTURE
2015.07.31
『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』
青春あり、音楽あり、お洒落ありの英スコットランド映画 |
監督・脚本 |
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先日開催されたFUJI ROCK FESTIVAL’15に出演したスコットランドのバンド、ベル・アンド・セバスチャン。そのフロントマン、スチュアート・マードックが映画監督デビューを果たしたのがポップ・ミュージカル『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』です。 ボーイミーツガール的な青春映画、レトロなファッション満載の映画、音楽をテーマにした映画──というのは決して珍しくもないですし、これまでにもたくさん作られてきましたが、この映画のいいところはそのすべてが組み込まれていること。ファッション好きの女子にとって「こういうの待ってた!」という世界観が広がっています。 物語はとてもシンプル。心のバランスを崩して入院中のイヴ(エミリー・ブラウニング)。ある日、彼女はこっそり病院を抜けだしてライブハウスへ。そこでジェームズ(オリー・アレクサンデル)と出会い、彼にキャシー(ハンナ・マリー)を紹介され、3人で音楽を作り始めます。けれど、意気投合した仲間であっても自分の将来は自分で決めなければならなくて、3人それぞれ葛藤もあって、もちろん恋も失恋もあって……と、まさに青春! 主人公のイヴのキャラクター背景には監督のスチュアート自身の経験──20代前半に慢性疲労症候群にかかる → 実家に戻り7年間の闘病生活 → グラスゴーのストウ・カレッジの音楽制作コースでベル・アンド・セバスチャンを結成──も反映されているから説得力があるんです。人生、順調に行かない時だってあるけれど、たとえ躓いても、考えて、答えを見つけて、タイミングが来たら自分がコレだと思ったことに向かっていけばいいというメッセージもあり、よしっ私も!って元気をもらえる映画です。
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text rie shintani