CULTURE
2015.08.21
『クーキー』
ちっちゃなテディベアが教えてくれる大切なコト |
監督・脚本・製作 |
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幼い頃の宝物、覚えていますか? ぬいぐるみ、人形、アクセサリーなど、大人になったいま思うと大したことのないモノであっても当時の自分にとってはとても大切なモノだったはず。でも、いつの間にか見当たらなくなったり、記憶から消えていたりする。それは決して宝物を忘れたわけではなく、成長していくうえで仕方のないことだと思うんです。そして、大人になってふとしたときに「そういえば○○が大好きだったなぁ」と記憶がよみがえってきたり。 『クーキー』はそんな幼い頃を思い出せてくれる映画です。小さなピンク色のディベア・クーキーは、6歳の男の子・オンドラのお気に入りのおもちゃで、寝るときはいつも一緒。しかし、古くなってしまったクーキーはほこりっぽくて、ぜんそくを患っているオンドラのためと彼のお母さんに捨てられてゴミ捨て場へ……。ショベルカーに押しつぶされそうになったその時! クーキーに命が宿り、オンドラの所に帰るための冒険が始まります。 大好きなオンドラに会うための旅路を描くとてもシンプルなストーリーですが、チェコの伝統芸術マリオネット(操り人形)技術を使って実際の森のなかでパペットを使って撮影した映像は、まるでそういう世界があるかのような独創的な世界! クーキーを応援する者、邪魔する者、連れ戻そうとする者など途中で出会う森の住人たちもユニークです。そして、クーキーとオンドラの友情にジーンとさせられる。ほっこりしたい人、今週はこの映画をチョイス!
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text rie shintani