CULTURE
2015.09.11
『ピエロがお前を嘲笑う』
見破れなくて悔しい! けど、超絶に面白い! | |||||||
感動の人間ドラマで思いっきり泣きたいとか、恋愛ものでキュンとときめきたいとか、超絶アクションでハラハラドキドキしたいとか、その時々の気分で映画に求めるものは変わりますが、あっと言わせる仕掛けに驚く映画、しかも知的な面白さを求めるならドイツ映画『ピエロがお前を嘲笑う』、おすすめです! 主人公は、ずっと目立たずに生きてきたベンヤミン(トム・シリング)。好きな女の子のためにハッキングの趣味を活かし、試験問題を手に入れたようとしたことをきっかけに、偶然出会ったマックスたちとハッカー集団“クレイ”を結成、手当たり次第にハッキングしていきます。そして、遊びのつもりではじめたハッキングがある日大きな事件へと発展、命を狙われることに……というお話。主軸のストーリーは調子に乗ってしまったハッカーたちの危機を描いていますが、その先には「ええー! そういうことだったの?」というトリックが仕掛けられています。 「見破れない」「騙される」と言われると、ぜったい見破ってやる! 騙されるものか! と構えて観てしまうものですが、結果的には心地よーく騙されてしまう。ハリウッドがリメイクしたがるのも納得です。過去、どんでん返しで驚かせてくれた映画といえば『メメント』や『シックスセンス』、『ファイトクラブ』『インセプション』などがありますが、この『ピエロがお前を嘲笑う』もそれらと並ぶマインドファック・ムービー。インターネットの世界でのやりとりを分かりやすく映像化しているのも面白く、分かりやすいのに騙されてしまうというのがこの映画の凄いところです。
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監督 バラン・ボー・オダー 脚本 バラン・ボー・オダー ヤンチェ・フリーゼ 出演 トム・シリング エリアス・ムバレク ボータン・ビルケ・メーリング アントニオ・モノー・Jr. ハンナー・ヘルツシュプルンク 配給・宣伝 ファントム・フィルム 【2014年/ドイツ/106分】 9月12日(土)より 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー © Wiedemann & Berg Film GmbH & Co. KG, SevenPictures Film GmbH 2014; Deutsche Columbia Pictures Filmproduktion GmbH |
text rie shintani