CULTURE
2015.11.06
『サヨナラの代わりに』
自分らしく生きるヒントを教えてくれる、ヒラリー・スワンク主演の感動作 | |||||||
もしも自分の人生の時間が残りわずかだとしたら、どう生きるのか──病気や怪我などと戦いながら精一杯に生きる主人公を描いた映画は、命の大切さはもちろん、今まで当たり前だと思っていたことがいかに幸せであるかを気づかせてくれます。『ボーイズ・ドント・クライ』『ミリオンダラー・ベイビー』で2度アカデミー賞に輝くヒラリー・スワンク、『オペラザの怪人』のヒロイン役で知られるエミー・ロッサムが共演の『サヨナラの代わりに』もその1本です。 ヒラリー・スワンクが演じるのはケイト。幸せな結婚、素敵な夫と友人たちに囲まれ、順風満帆な人生を送っていたはずが、ある日突然に難病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかってしまう女性です。一方、エミー・ロッサムが演じるのは、ミュージシャンになる夢を持ちつつも挫折し、気まぐれに生きるベック。年齢も性格も生き方もいろんなことが正反対の2人ですが、ケイトは自分の介助人としてベックを選び、絆を深めていきます。 難病を題材にしていますが、難病=悲しいことではなく、“生きる”ことを描いているのがこの映画の特徴です。ケイトはなぜベックを介助人として選んだのか? そこには自分らしく“生きたい”という願い、命の期限を知ったからこそ気づいた彼女自身の心の声があります。大切な人だからこそ、愛しているからこそ迷惑をかけたくないというのもひとつの形ですし、その逆、自分を出してこそ、相手のすべてを受け止めてこそ本物というのもひとつの形。この映画にはその両方が描かれています。そして、ケイトと出会ったことで変わっていくベックのように、映画を観た人もまたケイトから多くの気づきを受け取るはずです。
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監督 ジョージ・C・ウルフ 出演 ヒラリー・スワンク エミー・ロッサム 配給 キノフィルムズ 【2014/アメリカ/102分】 11月7日(土)より 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国ロードショー! © 2014 Daryl Prince Productions, Ltd. All Rights Reserved. |
text rie shintani