CULTURE
2015.11.27
『黄金のアデーレ 名画の帰還』
これが実話だなんて!と驚く衝撃のヒューマンドラマ | |||||||
この映画は、天才画家として歴史に名を残すグスタフ・クリムトの一枚の絵──「黄金のアデーレ(正式名称:アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ)」をめぐる、実話をもとにしたお話です。 主人公は マリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)。彼女は、ある理由からオーストリア政府を訴えます。それは、“オーストリアのモナリザ”と称えられ、何年も国の美術館に飾られている名画「黄金のアデーレ」を取り戻すため。そもそもその絵はクリムトが彼女の伯母を描いたもの、アルトマン家に飾られていたものでした。それが、第二次世界大戦のなかでナチスに奪われ、ウィーンの美術館にたどり着いたというわけです。 マリアは若い弁護士ランディ(ライアン・レイノルズ)と共に裁判に臨みますが、何が面白いって、個人対企業の裁判でもすごいなぁと思うのに、今回は個人対政府=国です! そんな緊張感ある法廷の駆け引きに加えて、マリアの人生も描かれる。裕福なユダヤ人一家に生まれ家族としあわせに過ごした時間、ナチスによるオーストリア合併で起きた悲しい出来事、そしてアメリカへの亡命……。1枚の絵画にこんなにもドラマがあるものなのかと、ただただ見入ってしまいます。
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監督 サイモン・カーティス 脚本 アレクシ・ケイ・キャンベル 出演 ヘレン・ミレン ライアン・レイノルズ ダニエル・ブリュール ケイティ・ホームズ 配給 ギャガ 11月27日(土) TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー ©THE WEINSTEIN COMPANY / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ORIGIN PICTURES (WOMAN IN GOLD) LIMITED 2015 |
text rie shintani