CULTURE
2016.04.22
『レヴェナント:蘇えりし者』
ディカプリオの挑戦が凄い! 映像美が凄い! | |||||||
レオナルド・ディカプリオが悲願のオスカーを手にした映画として話題になっていますが、熊と格闘しているとか、復讐を誓った男の話とか、一部がクローズアップされて「何だか凄そうな映画らしいけど……で、どんな映画なの?」と思っている人、意外と多いのではないかと。 どんな映画なのか──舞台は1823年、アメリカ開拓時代の未開の地。ディカプリオの演じるヒュー・グラスはガイド役として狩猟チームに参加していましたが、旅の途中でハイイログマに襲われ瀕死の重症を負います。仲間はもちろん助けようとします。ですが、以前から彼に敵意を抱いていたチームのひとりジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)によって殺されかけ、極寒の森に置き去りに……。しかもグラスを葬ろうとするところを彼の息子に見られたことで息子はフィッツジェラルドに殺され、そこからグラスの復讐の旅が始まります。 小難しいストーリーは一切なく、復讐するためだけに生き延び旅を続けるグラスの姿が映し出されていきます。何が凄いって、過酷すぎる旅であることです。アカデミー賞受賞式のスピーチでディカプリオが「この映画は人間と自然界の関係について描いた映画です」と語ったように、氷のはった川を渡り、木の根を食べ、死んだ馬の体内で眠り、そしてひたすら歩き続ける──。復讐するための旅はいつしか自然と向き合う旅へと変わっていくわけです。 この映画は“感じる”映画。大自然の脅威と圧倒的な美しさ、その自然を前に生きようとする人間の生命力、復讐がもたらすもの……何を感じるのかは観た人それぞれ異なると思いますが、確実に心に響くものがある。必見です。
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監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 製作 アーノン・ミルチャン スティーブ・ゴリン アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ メアリー・ペアレント 出演 レオナルド・ディカプリオ トム・ハーディ ドーナル・グリーソン ウィル・ポールター フォレスト・グッドラック 配給 20世紀フォックス映画 【2015/アメリカ/157分/R15+】 2016年4月22日 TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー ©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. |
text rie shintani