CULTURE
2016.05.27
『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』
かわいい!? シュール!? オランダのダークコメディ | |||||||
タイトルや予告映像の雰囲気から、なんかお洒落そうな映画だな~と思って観てみると、確かに絵に描いたようなオランダとベルギーの街並や風景がとってもお洒落! でも、物語はけっこうシュールというかダークというか、自分じゃなかなか死ねない主人公が“あの世行き”の旅行代理店に自分殺しを依頼するお話で、お洒落なのに……のギャップがいい、すごくいいんです。 母親が亡くなって天涯孤独になったヤーコブ(イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ)は、訳あって、待ってましたとばかりに待望の自殺計画を立てますが、失敗続き。そんな時、あの世への旅立ちを手助けする代理店の存在を知り、さっそくサプライズコースを申し込みます。サプライズコースとは、日時は知らされずに顧客が日常のなかで心地よく死ねるコースで、どのコースも解約は不可。でも、契約直後にヤーコブは自分と同じコースを契約した女性アンネ(ジョルジナ・フェルバーン)と出会い、彼女に惹かれてしまって……さあ、どうする!? シュールでダークなコメディの先にあるものは!? ちなみに、この映画を撮ったマイク・ファン・ディム監督は『キャラクター/孤独な人の肖像』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞。その後、ハリウッドからオファーが殺到したのに「どれも興味が湧かなかった」と断っちゃったこだわりの人。そんな彼が満を持して作った長編2作目『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』にはハリウッド映画では味わえない面白さが詰まってる! というわけで、かなりオススメです。
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監督 マイク・ファン・ディム 撮影監督 ロヒアー・ストファース 脚本 カロリーナ・リンドグレーン 出演 イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ ジョルジナ・フェルバーン ヤン・デクレール ヘンリー・グッドマン 配給 松竹 2016年5月28日(土)より 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開 【2015年/オランダ/オランダ語、英語、ヒンディー語、仏語/105分/原題:De Surprise】 ©2015 SURPRISE FILMPRODUCTIE VOF / VARA / PRIME TIME/ RIVA FILM / FASTNET FILMS |
text rie shintani