CULTURE
2016.12.16
『太陽を掴め』
吉村界人の繊細で力強い演技力に釘付けになる! | |||||||
音楽×友情×恋愛、青春映画に欠かせない題材をものすごく情熱的にものすごく痛々しく描いた『太陽を掴め』は、26歳の新星・中村祐太郎監督の劇場映画デビュー作だ。高校の同級生だった3人の男女がそれぞれ社会人として歩き出すが、なかなか思いどおりに進まない──“何か”に悩みながら人生を模索していく若者の姿を描いていく。 ミュージシャンとして人気を集めているヤット(吉村界人)は、以前タクマ(浅香航大)とつき合っていたユミカ(岸井ゆきの)に想いを寄せていたが気持ちを伝えられずにいた。タクマはヤットの写真を撮りフォトグラファーの道を歩んでいたが、ハッパのブローカーという裏の仕事に手を出していた。そんなヤットとタクマの間で揺れ動くユミカが出した答えは? そして友情、嫉妬、愛情……複雑な感情が行き交う3人の関係は、ある出来事をきっかけに大きく変化する。 何と言っても主人公・ヤット役の吉村界人が強烈だ。『ディストラクション・ベイビーズ』 『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』などの話題作に出演するほかファッションアイコンとしても注目を集める若手俳優。ライブハウスで叫ぶように歌う激しい一面を見せたかと思えば、ユミカの前では恋に臆病な青年の一面を見せ、またミュージシャンとしての夢を掴むために駆け引きもする。最初から最後まで、ヤットの繊細なのに力強い魅力に釘付けになる。
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監督・脚本 中村祐太郎 脚本 木村暉 出演 吉村界人 浅香航大 岸井ゆきの 三浦萌 森優作 配給 UNDERDOG FILMS 2016年12月24日(土)テアトル新宿、名古屋シネマスコーレほか全国順次公開 ©2016 UNDERDOG FILMS |
TEXT RIE SHINTANI