CULTURE
2017.04.07
ファッションとは何かを問いかけるドキュメンタリー『メットガラ ドレスをまとった美術館』
『メットガラ ドレスをまとった美術館』 | |||||||
「メットガラ」とは毎年5月の第1週にニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)で行われる、ファッション界のアカデミー賞とも呼ばれるイベント。映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』は、同美術館の服飾部門の2015年の企画展「鏡の中の中国(China: Through The looking Glass)」の企画から開催までを追いかけたドキュメンタリーだ。 企画展「鏡の中の中国」のキュレーターはアンドリュー・ボルトン。2011年に回顧展「アレキサンダー・マックイーン/野生の美」を大ヒットさせた気鋭の人物で、「鏡の中の中国」では、中国の影響を受けた西洋のファッションと美術、歴史、映画を融合させた企画展を発案、実現させた。そして、そのオープニングを飾るメットガラの主催者は、ファッション誌US版「VOGUE」編集長アナ・ウィンター。登場するゲストは、ジョン・ガリアーノ、カール・ラガーフェルド、ジャン=ポール・ゴルチエ、バズ・ラーマン、ウォン・カーウァイ、リアーナ、ジョージ・クルーニー、レディ・ガガ、アン・ハサウェイ、マドンナ、ジャスティン・ビーバー、サラ・ジェシカ・パーカー……挙げたらキリがない! ファッション界、音楽界、映画界のセレブたちが一堂に会し、彼らが身に纏うドレスも見どころのひとつだ。 このドキュメンタリーの一番の面白さは、世界最大級のファッションイベントの裏側、どんな準備をして、どんな人たちが関わっていて、どんな苦労があるのかを目撃できることだ。と同時に問いかけてくるのは「ファッションは芸術なのか?」「デザイナー(ドレスメーカー)は芸術家なのか?」というメッセージ。絵画や彫刻、建築と同じくファッション=服は芸術と言えるのかどうかを考えさせられ、それについて語る登場人物それぞれの見解も興味深い。 2017年は「川久保玲/コムデギャルソン展」が開催される(NY時間で、メットガラは5月1日、展覧会は5月4日より)。この映画を観ると実際の企画展にも行きたくなるけれど──まずはメットガラとは何なのかをこのドキュメンタリーでチェック!
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監督 アンドリュー・ロッシ 製作 スコット・ブライト マット・ウィーバー 製作総指揮 ジェイソン・ベックマン ライアン・カバナー 出演 アナ・ウィンター アンドリュー・ボルトン ジョン・ガリアーノ カール・ラガーフェルド ジャン=ポール・ゴルチエ 2017年4月15日(土)Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開! ©2016 MB Productions, LLC |
TEXT RIE SHINTANI