CULTURE
シーツ姿の幽霊が見つめる世界『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』
『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』
|
人は死んだらどうなるのか、どんな世界が待っているのか。また愛する人を失った者は、その哀しみとどう向きあうのか──。『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』は、自分のいなくなった世界で、愛する妻を想い彷徨う幽霊を描いた物語です。
田舎町の一軒家で暮らす一組の若い夫婦。作曲家の夫C(ケイシー・アフレック)と妻のM(ルーニー・マーラ)は幸せな日々を送っていましたが、その家を気に入っているCと、どこか別の場所へ移りたいと思っているM、家をめぐって微妙な確執が生まれていました。そんなある日、Cが不慮の事故で命を落としてしまいます。
幽霊となって家に戻ってきたC。哀しみに暮れる妻に寄り添いますが、やがて彼女は、新しい人生を歩むために夫婦の思い出の家を出ます。妻が去った後もその空間に縛られるCは、移り変わる住人を見守ります。その先に待っているのは……。
この映画の特徴のひとつは、幽霊の描き方にあります。小さな子供がシーツをかぶって幽霊ごっこをしているような可愛らしい幽霊です。
ケイシー・アフレックは、ほとんどの時間をシーツで顔も体も見えない、おまけにセリフもない幽霊として存在しています。でも心に残る、記憶に残る、素晴らしい演技を見せています。さすが『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した俳優です。妻のMを演じたルーニー・マーラも『キャロル』でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。実力ある俳優の共演も見どころです。
自分のいなくなった世界を何年も何十年も、ただ見つめ続ける幽霊。その幽霊に映る世界を淡々と描いたシンプルな物語ですが、シンプルだからこそ観客は想いをめぐらせる──。リアルとファンタジー(現実と死後の世界)をとても美しく、とても豊かに描いた映画です。
ラブストーリー度 |
★★★★★ |
ファンタジー度 |
★★★★☆ |
ドラマチック度 |
★★★★☆ |
|
監督
デヴィッド・ロウリー
出演
ケイシー・アフレック
ルーニー・マーラ
配給
パルコ
11月17日(土)全国ロードショー
©2017 Scared Sheetless, LLC. All Rights Reserved.
|
RECOMMEND
やっぱりこの世界観、たまらない!『アステロイド・シティ』
星野リゾート ロテルド比叡で心も体も キレイになる京都1泊2日大人トリップ day1
2017年下半期の運勢占いをニイナ・ゲイトがお届け! ハッピー・ホロスコープ <蠍座>
CULTURE NEWS
chill guyミームの影響!? 韓国で流行中のLPレコードカフェをチェック–韓国HOT NEWS 『COKOREA MANIA』 vol.440
会期は2月2日まで! 写真家・松岡一哲×あにお天湯の写真展示『am2:00 HARAJUKU』がBEAMS JAPAN SHINJUKU 5F〈B GALLERY〉にて開催!
映画について語りたくなる『映画を愛する君へ』