CULTURE
2024.11.02
VI/NYLがプロデュース YOASOBI結成5周年展覧会・潜入レポート
YOASOBIによる結成5周年展覧会『YOASOBI KEEP OUT GALLERY PRODUCED BY VI/NYL』が、10月5日~14日にかけて行われた。
YOASOBIといえば、2021年に開催された初のワンマンライブ『KEEP OUT THEATER』で旧・ミラノ座跡地(現・東急歌舞伎町タワー)の工事現場にて配信を行い大きな話題を呼んだ。そう、今回も“工事現場=KEEP OUT”をキーワードに、来年のグランドオープンに向けて工事中のGinza Sony Parkにて特別開催されたのだ。
1Fのエントランスでパスを受け取ると、参加者は順々に板張りのエレベーターに乗って3Fフロアへ潜入する。打ち放しのコンクリート建築の内部には“YOASOBI / KEEP OUT”のバリケードが張り巡らされ、インダストリアルな空間に、これまで見たことがないような様々なAyaseとikuraの写真が並ぶ。今回のプロデュースにはミュージック&カルチャーメディアである『VI/NYL』が参画し、展覧会で披露された写真たちはYOASOBI5周年記念ブックとなる『VI/NYL SUPER YOASOBI 5TH NNIVERSARY BOOK』(10月30日発売)に掲載され、その一部が展示されている形だ。
浅草の花やしき、さらに古民家をロケーションにしたストーリーでは、古風な日本のシチュエーションに対してふたりのパンキッシュな装いがシュールな違和感を演出。純粋にレジャースポット自体を楽しんでいる、ラフなカットが挟まれているのもポイントだ。Ayaseのソロカットでは、チルでけだるい雰囲気と本人の出自を思わせるアナーキズム溢れるシーンが入り混じる。一方、ikuraのソロカットでは学校を舞台にアニマルモチーフを取り入れたファッションで、リアリティとファンタジーの境界線が曖昧に。それぞれ独自の世界観とファッションで魅了していた。
フューチャリスティックと退廃が混在するようなシーンでは、よりアーティスティックなスタイリングでふたりの新たな一面を見せた。時代性を捉えられないような不思議なムードの中に佇むふたりの姿を見ていると、まるで未来の姿かのような錯覚に陥る。無機質の中にある特異な存在感は、今回のGinza Sony Parkの建築とも相性バツグンだった。
撮影の裏側を垣間見る和やかなオフショットなどを含むスペシャルムービーも見応え満点で、多くの人が微笑ましく見守っていたのも印象的。その横にはファッションシューティングにも使用されたパンダカーが設置され、来場者が思い思いに撮影を楽しんでいた。YOASOBIのふたりと共有する、夏の終わりの素敵な思い出となったことだろう。