CULTURE
2024.04.22
NYLON独占インタビューも実施! 寺田寛明の初書籍『故事成語 ツッコミ事典 もしも言葉のレビューサイトがあったら』発売記念取材会&イベントレポート
『OWARAI NYLON』でも特集したピン芸人・寺田寛明の初書籍『故事成語 ツッコミ事典 もしも言葉のレビューサイトがあったら』が4月3日に講談社より発売。これを記念し、4月14日に芳林堂書店 高田馬場店で囲み取材会と出版記念イベントが行われた。NYLONでは囲み取材とイベントレポート、そして寺田寛明への独占取材を実施! ぜひ最後まで読んでね☆
<囲み取材会>
寺田寛明と、ゲストのサツマカワRPG、トンツカタン・お抹茶が報道陣の拍手の中登場
絵本で特に注目してほしい点について聞かれた寺田は、「僕は絵が描けないので普段フリップネタをしているのですが、絵が入ることで一気に雰囲気が変わりますね。とにかく絵がかわいらしいので、注目してほしいです」と答え、特に気に入っているのは『漁夫の利』で登場するはまぐりの絵だそう。
「もし今後本を制作するならば、どんなものを作りたいか」という質問が飛ぶと、寺田は「今回故事成語のみを扱いましたが、実は、他のジャンルでもレビューも書いたんです。ことわざ、慣用句、日常的に使うフレーズの3ジャンル。今回出した70個の案のうち、61個は使われなかったので、まずはそれらで続編が作れそうです。ほかには、ネタ本など、がっつりお笑いに特化した本もいつか出せたらいいですね」と回答。ゲストにも同様の質問がされ、サツマカワRPGは「でか美ちゃんの写真集」と妻へ熱烈コール。「それなら僕はでか美ちゃんのぬり絵をつくりたい」とお抹茶が答えると、会場全体が笑いに包まれた。
ゲストの二人に絵本の感想を求めると、サツマカワRPGは「事前に事務所からこの本をいただいたんですが、すみません。写真だけ撮って、まだ読んでません」と答え、続くお抹茶も「僕も事務所から事前にいただいて、今日会場入りの移動中に読むつもりだったんですが……電車内で読むには、少しカバーが派手で読めませんでした」とまさかの告白。そんな二人に対して「読んでいない今の状態でレビューを書くなら、星をいくつ付けるか」という質問を投げかけると、お抹茶は「星5つ。なぜなら表紙に5つ星が描かれているから。ハハハハハ!」と回答。サツマカワRPGは「僕は星100です! やっぱり、寺田寛明は面白いので!」と叫ぶように答えた後、サイン本が積まれた机に身を投げ出した。
<出版記念イベント>
囲み取材会の後は、読者約100名を招待したトークショーとサイン会が行われた。
トークショーでは、MCとしてひつじねいり・松村祥維が登場。「『臥薪嘗胆』に出てくる肝を舐めるおじさんの絵と僕がそっくりなんです」と自己紹介すると、客席に笑いが起こった。
松村の進行で行われた大喜利コーナーでは面白回答が連発。 イベントの様子は後日YouTubeでも配信されるそうなので、ぜひチェックしてね!
囲み取材・イベントレポート写真クレジット:©講談社/嶋田礼奈
<寺田寛明独占インタビュー>
Q.書籍制作のお話があがったのはいつ頃のことでしたか?
去年の『R-1グランプリ』が終わったあとのタイミングで、「『R-1』で披露した『ことばレビューサイト星1』のネタをベースに、児童向けの本をつくりませんか」と声を掛けていただきました。その時点では文字だけの本を制作する予定だったんですが、文字にしてみると故事成語ができるまでの説明が冗長だったり、言葉の鋭さが際立ってしまったので、絵本にすることになったんです。
Q.お話を聞いたときの率直な気持ちを教えてください。
塾講師として働きながら芸人をやっている僕ならではのお仕事だと思ったので、すごくうれしかったです。声を掛けていただいた時点で3年連続『R-1』の決勝に進出していたものの、テレビやバラエティ系のお仕事はそこまで増えなかったので、自分に向いているお仕事をいただけたことが、本当にありがたかったです。
Q.制作期間はどれくらいですか?
1カ月半くらいで70個レビューを書いたんですが……実際に絵本になったのはたった9個(笑)。絵本にならなかったレビューは、今年の『R-1グランプリ』で披露したネタに使ったりしました。生かすことができてよかったです。
Q.絵本内のレビュー平均は星1.2と辛口評価ですが、星5をつけられそうな故事成語はありますか?
『自画自賛』。わざとネットでたまに見かける、翻訳機を通しただけのような不自然な日本語のような感じでレビューを書いて、4項目のうち3項目で星5をつけました(笑)。
Q.故事成語にツッコミを入れるという発想はどこから?
塾で生徒に故事成語を教えるときに、本当のことを説明していても僕が変なことを言っていると思われそうなくらい、故事成語の由来におかしなエピソードが多かったんです。だって、『ほぞをかむ』なんて、自分のへそを噛みたくても噛めない、もどかしい気持ちが転じてどうにもならないことを後悔するという意味になるんですよ。すごく変ですよね(笑)。そこに僕がツッコミを入れることで、変な由来もあるということを知ってもらいつつ、言葉を覚えてもらえたらと思ったのがきっかけでした。
Q.レビューに関連して、最近あった中で星5をつけたい出来事、星1をつけたい出来事をそれぞれ教えてください。
この本のことも含め、最近は自分に向いていると思えるお仕事をたくさんいただいているというのは星5ですね。まだ発表できないものが多いのですが……楽しみにしていていただけたらうれしいです。星1は……今月末にある『げいにんメイド喫茶』というライブに出ることになったこと(笑)。自分がちゃんとかわいいメイドになれるかが不安です。アイドル界隈では「メイクがうまくいかなかったから今日はステージに立ちたくない」みたいな状態になる子が少なくないんですが、その気持ちがやっとわかった気がします。メイド服を着て、ヘアメイクしてもらって、納得のいくかわいさに到達できなかったら、僕もお客さんの前に出たくなくなるかもしれないな……。『げメ喫』の勝ち方は“かわいくあること”のみだと思うので、どうなるか少し不安です(笑)。
Q.4月といえば新しい出会いや新生活の季節ですが、寺田さんが最近新しく始めたことはありますか?
YouTubeを本格的に始めました。前回の『OWARAI NYLON』の取材でも「誰か聞き手がいてくれたら始めたい」と言っていたと思うんですが、あれから約1年も経ってしまいましたね(笑)。一緒にアイドルについてトークする『アイドルトークラジオ(仮)』をやっている冷凍食品さんに作家として入ってもらっていて、編集は自分でやっています。今後はどうなるかわかりませんが、まずは自分でやってみようということで挑戦してみたものの、想像以上に大変で……。初めてだからということもありますが、1時間の動画をつくるのに9時間くらいかかりました。それに、こだわろうと思えばどこまでもこだわれるので、編集の仕方はこれから考えていきたいです。
Q.YouTubeでやりたい企画はありますか?
大喜利企画やお笑いクイズをやりたいです。でも一番やりたいのは、事務所の先輩でもあるカトゥーさんというピン芸人の魅力を伝える企画。事務所ライブでもいろんな芸人にいじられていて、本当に面白い人なんですが……それをどうやって世の中に発信すればいいのかなと思っていて。ライブでわちゃわちゃするのもいいですが、せっかくならきれいなスタジオを借りて、企画っぽくきちんと動画を撮ってみたいです。
Q.最後に、NYLON読者にメッセージをお願いします!
『OWARAI NYLON』では大変お世話になりました! この度、初めて絵本を発売しましたので、無理のない範囲で手に入れていただけたらうれしいです。きっと、小中学生くらいの方にとっては勉強にもなるはず。実際に、この絵本に載っている故事成語がテストに出たというケースもあるみたいなので、ぜひ本書を通して勉強していただけたらと思います。そして、いつか『NYLON JAPAN』本誌にも出演したいので、そのときはまたよろしくお願いします!
書籍紹介
『故事成語ツッコミ事典 もしも言葉のレビューサイトがあったら』
作:寺田 寛明 絵:紙谷 俊平 装丁:田中 彩里 構成:山口 真央
◆発売日:2024年4月3日
◆定価:1760円(税込)
◆A12取判 32ページ
◆ISBN:978-4-06-535157-4
◆ 第三事業本部 児童図書編集チーム
プロフィール
寺田寛明/HIROAKI TERADA
IG@KUANMINGSITIAN X@TERADANN YouTube『寺田寛明』
1990年10月6日生まれ。埼玉県出身。マセキ芸能社所属のピン芸人。2013年デビュー。高校時代から舞台に立ち、『R-1グランプリ』では2021年から2024年まで連続で決勝進出を果たす実力派。数々の大喜利ライブでも活躍しており、自身でも毎月『大喜利千景』というライブを主催するほか、塾講師としても働いている。また、アイドル好きとしても知られており、昨年は222現場に行った。
INTERVIEW&TEXT: SARA OMORI
DESIGN: ANJU OKAWA