CULTURE
2013.09.06
『スーサイド・ショップ』
ブラックで陽気でお洒落なフレンチアニメ |
監督 |
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パトリス・ルコント監督と言えば、『髪結いの亭主』『仕立て屋の恋』など数多くの名作を世に送りだしている巨匠。けれど若い世代にとっては、ものすごく映画好きな人、フランス好きな人じゃなければ、彼の作品を知らなくても当然。というわけで、フランス映画は難しそう……とか、フランス映画は暗そう……とか、ふだんあまりフランス映画は見ない人におすすめしたいのが、フレンチアニメの『スーサイド・ショップ』。ルコント監督初のアニメーションで、しかもミュージカル仕立てでわかりやすい! そして楽しい! “命は強く、人生は美しい”という普遍的なメッセージを、“自殺用品専門店”という“生”とは逆の設定で描いていくのがこの映画の面白いところ。自殺用品専門店を営むドゥヴァシュー一家は、父のミシマ、母のルクレス、長女のマリリン、長男のヴァンサンの全員が超ネガティブ思考で、店内には自殺を必ず成功させるための商品がびっしり! そんな一家に赤ちゃんのアランが誕生するけれど、なんとアランは無邪気で超ポジティブな性格! 彼の成長と共に家族もお店も変わっていき……。非常にブラックな設定なのに、非常に陽気でファンタジック、そして美しい絵本のような映像もお洒落!
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text rie shintani