CULTURE
2013.12.12
『ブリングリング』
パリスの実際の家が撮影に!? |
原題:The Bling Ring |
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ソフィア・コッポラ監督作というと、それだけで期待をしてしまう。女性は特に、彼女が映し出すキラキラとした世界観や誰もが心に持っている暗い闇の描き方、見たい映像や繊細な感情に惹かれる。そしてファッション! 『ヴァージン・スーサイズ』をはじめ、「かわいい!」「真似したい!」「憧れる!」と思ってしまうガーリー・カルチャーが満載なのも彼女らしさだ。 そんなソフィア・コッポラ監督の新作『ブリングリング』ももちろん期待を裏切らない。パリス・ヒルトンやリンジー・ローハン、オーランド・ブルームといったいわゆるセレブたちが持っているモノに憧れる若者たちが、セレブたちの自宅に忍び込んで、洋服や靴、バッグ、宝飾品を盗んでしまうというストーリー。ルイ・ヴィトン、シャネル、クリスチャン・ルブタンなどラグジュアリー・ブランドが画面一杯に映し出されるのは圧巻。なかでもパリスの家に強盗に入るシーンは、なんと実際のパリスの家、パリスの部屋で撮影されているというから驚き! かつて『マリー・アントワネット』ではベルサイユ宮殿を使って撮影したように、さすがにそれは無理じゃない? という場所での撮影を可能にしてしまうのがソフィア・コッポラの腕というか人脈というか才能。 実際に起きた事件からアイデアを得ているものの、説教くさいわけではなく、強盗をはたらいた若者たちから得るものはなく、ただ、そういう若者がいる、ということを伝えているだけ。何かテーマがあるんじゃないか? と深読みするよりも、とにもかくにもセレブたちのけた外れのファッションシーンに驚いて! 楽しんで!
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text rie shintani