CULTURE
2014.01.31
『メイジーの瞳』
ぎゅうっと抱きしめたくなる映画 |
監督 |
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答えはひとつじゃない。『メイジーの瞳』が教えてくれるのは、シンプルだけど大切なこと。物語の中心にいるのはニューヨークに暮らす6歳の女の子、メイジー。 両親の離婚によって、美術商の父とロック歌手の母の間を10日ごとに行ったり来たりすることになったメイジー。さらに複雑なのは、両親があまりにも身勝手で、いつの間にかメイジーを気にかけて一緒に過ごすようになるのが、両親それぞれの新しいパートナーだということ。父の再婚相手はもともとメイジーのシッターで仲良しのマーゴ、母の新しい恋人はバーテンダーで心優しいリンカーン。でも、マーゴとリンカーンもそれぞれに傷ついていて……。 メイジーが自分のため、おそらくみんなのためを思って選んだ道は、意外かもしれないけれど「そうだね、そういう人生もありだよね」って、深くうなずいちゃうはず。そして、一生懸命に自分の居場所を探して、一生懸命にしあわせに向かっていくメイジーの目線で世界を見つめると、自分自身もぎゅうって抱きしめられているようなあたたかな感覚に。そんな素敵な映画。
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text rie shintani