CULTURE
2014.02.04
ファッション界も大注目のItガール、Sky Ferreiraの危うい魅力
なんでSky Ferreira(スカイ・フェレイラ)はこんなにも人々を惹きつけて止まないんだろう。ちょっと大げさな言い方をしてしまえば、高いアンテナを持っている人は、今みんな彼女に注目している。真っ赤な口紅とロック/グランジ・テイストの着こなしがトレードマークの彼女は、昨年LAからNYに移り住んだ21歳のポップ・シンガー。音楽メディアから熱いラブコールを受けているのはもちろん、サンローランをはじめForever21やMAISON KITSUNÉ(メゾンキツネ)などでモデルに抜擢されて、ファッション界でも大活躍中のItガールだ。 そんなスカイのいちばんの魅力は「危うさ」。彼女は作られたポップ・スターとは一味違う。みんなそのことに気付いている。たとえば、自分の納得いくものを作り上げるためにレコード会社ともめながら5年もかけて完成させたアルバム、『Night Time, My Time』収録の“You’re Not The One”を聴けば、その特別な魅力を感じ取れるかもしれない。 まるで紙ヤスリでこすったみたいにささくれ立ったエレクトロ・ポップに乗せて、スカイはどうしても拭いきれない心の痛みや不安を歌い上げる。幼い頃の辛いトラウマを告白している彼女だけど、それも抱えて歌っているという彼女の姿は、あまりにもろく、壊れやすそう。でも、自分の弱さも包み隠さずにさらけ出す正直さを持っているスカイだからこそ、その歌はとても深く心に突き刺さってくる。スキャンダラスな話題も多い彼女は、いつ転げ落ちてしまうかわからない。けど、そのリアルな姿からは、みんな目を離せないでいる。 Blood Orange / You’re Not Good Enough スカイの初ヒット“Everything is Embarrassing”を手掛けたDev Hynesは、インディの世界で大注目のクールなアーティスト。彼の最新プロジェクト、Blood OrangeのスムースなR&Bも最高。 Suicide / Ghost Rider スカイがフェイヴァリットとしてよく名前を挙げているのが、70年代NYのエレクトロ・パンク・デュオ、Suicide。かなりハードで攻撃的なサウンドだけど、よく聴けば彼女のアルバムに影響を与えているのがわかるはず。 Hole / Violet スカイがロール・モデルの一人と言っているホールのコートニー・ラヴは、故カート・コバーンの妻で、90年代のグランジ・アイコン。芯が強く、でもどこまでも正直で危うい、という点ではスカイと通じるものがある。 |
Sky Ferreira -『Night Time, My Time』 3月19日 国内版発売予定 ¥2,300(税込) tracklist 01. Boys 02. Ain't Your Right 03. 24 Hours 04. Nobody Asked Me (If I Was Okay) 05. I Blame Myself 06. Omanko 07. You're Not the One -リード・シングル 08. Heavy Metal Heart 09. Kristine 10. I Will 11. Love In Stereo 12. Night Time, My Time |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine