CULTURE
2014.04.18
最高にスタイリッシュな5人組、The Horrorsのダンサブルな新境地
その音楽性はもちろん、ファッションや活動方針に至るまで自分達の美意識を徹底させて、決して一時の流行や商業主義に惑わされることはない。しかも、何をやらせても抜群にセンスがいい。ロンドンの最高にクールな5人組=The Horrors(ホラーズ)は、要するに、ひとつの理想的なバンドの在り方を体現している。今や彼らが、リスナーからも同業のミュージシャンからも最大限のリスペクトを受ける存在になったのも当然かもしれない。
3年ぶりのアルバム『Luminous』でも、The Horrorsはまったくブレていない。彼らは今回も音楽/アートへの純粋な情熱をたぎらせて、新しい挑戦へと踏み出している。新作のキーワードは、一言で言えば「ダンス」だろう。サイケデリックに揺らぐギター・サウンドは相変わらずだけど、そのリズムはいつになくグルーヴィ。「今回はクラブやダンス・フロアを意識した」というRhys Webb(ベース)の発言も納得だ。リード・トラックでもある“I See You”は、まさにそんな「新しいThe Horrors」を象徴する曲。ダークでロマンティックなサウンドだけど、思わず体を揺らしたくなるようなビートに注目してみてほしい。 Donna Summer / I Feel Love 新作におけるThe Horrorsのシンセ・サウンドは、巨匠Giorgio Moroderの影響大。御大がDonna Summerとタッグを組んで送り出したこの曲は、永遠のディスコ・クラシックス。 My Bloody Valentine / Soon The Horrorsのギター・サウンドは、シューゲイザーの代名詞でもあるMy Bloody Valentineの影響を受けている。これを聴けば、実際かなり大きなインスピレーションだったことがわかるはず。 The Stone Roses / Waterfall 今作からFarris(ヴォーカル)の歌い方が浮遊感のあるものに変わったけど、そこから連想されるのは、クラブ・シーンとギター・ロックを繋いだ英国のヒーロー、The Stone Rosesかもしれない。聴き較べてみては? |
The Horrors-『Luminous』 ¥2,371円(税抜) 2014/4/30(水)発売 tracklist 01. Chasing Shadows 02. First Day of Spring 03. So Now You Know 04. In and Out of Sight 05. Jealous Sun 06. Falling Star 07. I See You 08. Change Your Mind 09. Mine and Yours 10. Sleepwalk ※ボーナストラック収録予定 |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine