CULTURE
2014.04.19
名プロデューサーPharrell Williamsが打ち出す、新しい「レトロ・ソウル」
ここ数年、欧米ではEDMが大ブーム。でも、それとは一線を画するフレッシュで新しい流れも、今の音楽シーンには確実に生まれている。それは、EDMのような電子音ではなく生音を、ぎっしりと音を詰め込んだアレンジではなくスカスカのサウンドを選び取ることで、古き良きソウル/R&Bへと立ち戻るという動きだ。
往年のムーヴィ・スターよろしく、スーツ&タイでビシッと決めたJustin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)の『The 20/20 Experience』はその先駆けで、80年代ディスコ/AORへの愛情を表現したDaft Punk(ダフト・パンク)『Random Access Memories』や、Robin Thicke(ロビン・シック)の大ヒット曲“Blurred Lines”も同じ感性を共有した作品と言える。そして、Daft PunkとRobin Thicke両者のヒットで共演している名プロデューサーPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)は、間違いなくこの動きの陰の立役者。彼が久々に送り出したソロ・シングル“Happy”も、ウキウキするような70年代風ダンス・ソウルだ。 この曲は、英米チャート共に1位を獲得し、そのまま異例のロング・ヒットを記録。そして、その勢いに後押しされるかのように、Pharrellはなんと8年ぶりのソロ・アルバム『G I R L』を発表した。これがまた、最近のレトロ・ソウル路線と、彼が得意としてきた先鋭的なプロダクションが融合した素晴らしい出来。2000年前後にヒップホップ/R&Bのプロデューサーとして一世を風靡した彼だけど、今再び勢いに乗っているのが感じられる。まさに第二の全盛期を迎えようとしている、絶好調のPharrellをお見逃しなく! Velvet Hammer / Happy Pharrell“Happy”の元ネタと言われているのがこれ。70年代にマンチェスターのクラブ・シーンで流行したダンサブルなソウル・ミュージック=通称ノーザン・ソウルのスマッシュ・ヒットだ。 Paloma Faith / Can't Rely on You AdeleやAmy Winehouseに続く新星とされていたイギリスの女性シンガー、Palomaの最新シングルもPharrellがプロデュース。特徴的なギター・リフがFranz Ferdinand“Take Me Out”に似ていると噂されたけど、果たして……? Future / Move That Dope ft. Pharrell Williams, Pusha T 注目の新世代ラッパー、FutureともPharrellはコラボしている。ヒップホップ・プロデューサーとしての、久々のいい仕事! |
PHARRELL WILLIAMS-『GIRL』 ¥2,200円(税抜) 2014/4/30(水)発売 tracklist 01. Marilyn Monroe 02. Brand New (duet with Justin Timberlake) 03. Hunter 04. Gush 05. Happy 06. Come Get It Bae 07. Gust Of Wind 08. Lost Queen 09. Know Who You Are (duet with Alicia Keys) 10. It Girl ※日本盤はこのほかに、日本盤のみのボーナス・トラック「Smile / スマイル」を収録 |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine