CULTURE
2014.05.27
どこまでも痛快でチャーミング! 待望のカムバック作は、やっぱりLily Allenらしさ満載!
Katy PerryとかTaylor SwiftとかLordeとかSky Ferreiraとか、個性的なフィメール・ポップ・アイコンは次から次に登場するけど、やっぱりLily Allenはオンリー・ワン! 休業宣言から4年弱のブランクを経て発表されたカムバック作『Sheezus』を聴いていると、そんなふうに思わずにはいられない。このアルバムでも彼女は、相変わらず素直で大胆でユーモアたっぷり。休業中に生まれた子供のことや、愛する夫のこと、さらにはセレブ・カルチャーや匿名で有名人を叩くネット・ギークのことまで、ウィットに富んだ語り口でどんどん切り込んでいく。その様子は痛快の一言。 そして、そんな中でも特にLilyらしさ全開なのは、リード・トラックでもあった“Hard Out There”。ここでは、女性蔑視との意見も多かったRobin Thickeの“Blurred Lines”をチクリとやりながら、自分らしく生きることに自覚的な女性――Lilyが言うところの「ビッチ」!――にとって風当たりの強い世間の風潮に物申している。もちろん、堅苦しいメッセージ・ソングとしてじゃなくて、あくまで軽やかで楽しげなポップ・ソングというスタイルを守りながら。 タイトル・トラックでは、最近人気のフィメール・ポップ・アイコンたちの名前を挙げながら、復帰への不安も赤裸々に綴っている。けど、こんなに痛快でチャーミングな魅力を持っているのは、やっぱりLilyだけだし、彼女の代わりなんていない! とアルバムを聴けば、きっと思ってしまうはずだ。 Charli XCX / SuperLove ネット・コミュニティから飛び出した新世代のポップ・スター。実はLilyが休業中にオープンしたヴィンテージ・ファッションのブティックの常連だったらしい。 Keane / Somewhere Only We Know The Horrorsのギター・サウンドは、シューゲイザーの代名詞でもあるMy Bloody Valentineの影響を受けている。これを聴けば、実際かなり大きなインスピレーションだったことがわかるはず。 Kanye West / Bound 2 Lily新作のタイトルは、Kanyeの『Yeezus』をもじったもの。アルバム最後のインダストリアル風トラックは、同作へのオマージュ? |
Lily Allen -『Sheezus 』 ¥2,200円(税抜) 2014/5/7 発売 tracklist 01. Sheezus 02. L8 CMMR 03. Air Balloon 04. Our Time 05. Insincerely Yours 06. Take My Place 07. As Long As I Got You 08. Close Your Eyes 09. URL Badman 10. Silver Spoon 11. Life for Me 12. Hard Out Here 13. Interlude |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine