CULTURE
2014.05.29
世界屈指の人気を誇るロック・バンド、Coldplayが新作で赤裸々に表現したハートブレイク
これまでのアルバム総セールスが5500万枚以上という驚異的な人気を誇るColdplayの勢いは、最新作『Ghost Stories』でもまったく留まるところを知らない。iTunesチャートでは発売後すぐに72ヶ国で一位を獲得。そして地元イギリスでは、今年のアルバム最速売り上げ記録を見事に更新してみせた。 でも、そんな華々しい記録とは裏腹に、今回のアルバムはかなり内省的。特に、壮大なスタジアム・ロックを力強く鳴らしていた過去数作と較べると、その印象はさらに強い。では、なぜColdplayはそのような方向性に向かったのか? その理由は、フロントマンのChris Martinが長年のパートナーだった女優のGwyneth Paltrowと別れたから。そう、ある意味、これはChrisのハートブレイク・アルバムだということ。 このリード・シングルのように、新作はフォーキーなサウンドに乗せて傷心を歌うトラックが中心。けれども、アルバム後半では、EDMのスターAviciiを迎えた華々しいダンス・トラックで、劇的なクライマックスを演出している。まるでChrisが傷ついた自分を奮い立たせるかのように。 よく目を凝らすと、アルバムのアートワークは、二つに割れたハートが翼のようにも見える。失恋の痛みを振り切って力強く飛び立つ――Coldplayは新作でそんなイメージを表現したかったのかもしれない。 Bon Iver / Beth/Rest グラミーも受賞したUSインディの大スター。Coldplay新作の内省的なサウンドは、彼らの作品にインスパイアされたと言われている。 Adele / Skyfall 新作でプロデューサーに抜擢されたのは、超売れっ子のPaul Epworth。ヒット作を多数手掛けてきた彼は、Adeleとのタッグでも有名だ。 Jon Hopkins / We Disappear feat. Lulu James 以前からColdplayのプロデュースを手掛けていたイギリスのエレクトロニカ/テクノ・アーティストは、新作にも一部参加。緻密で繊細な電子音は彼の影響? |
COLDPLAY -『GHOST STORIES』 ¥2,457円(税抜) 2014/5/21 発売 tracklist 01. Always In My Head 02. Magic 03. Ink 04. True Love 05. Midnight 06. Another's Arms 07. Oceans 08. A Sky Full of Stars 09. O (Hidden Track) |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine