CULTURE
2014.09.29
新世代R&Bの歌姫、Banksがデビュー作で見せた更なる可能性
ここ数年で大きな盛り上がりを見せていて、まさに今年そのピークを迎えそうなオルタナティヴ~インディR&B。その一番新しいアイコンと言えばFKA Twigsだけど、彼女の次いで熱い注目を浴びている“It”なシンガーが、このBanksだ。 COACHのキャンペーン・モデルに抜擢されるほどの美貌に、ダークなエッジを持った旬のR&Bサウンド。彼女が一躍注目を集めるようになったのも無理はない。ただ、何かと較べられることが多いFKA Twigsとは完全に似て非なるもの。というのも、FKAの魅力がスノッブなアート志向=ちょっと背伸びしたくなる難解さなのに対し、Banksはその親しみやすさが最大の魅力だから。最先端のサウンドだけれど、スッと耳に馴染んでくる。 なぜBanksの音楽がこんなに耳馴染みがいいかと言うと、やはり先鋭的なビートではなく、彼女の「歌」が常に中心に据えられているからだと思う。デビュー・アルバム『Goddess』では、アコースティック・ギターだけをバックにしたシンプルな曲も披露。それを聴くと、Banksが何より「歌」を大切にするシンガー・ソングライター気質なんだ、という理解が一層深まる。今は時代の流れに乗ってクールにR&Bを乗りこなしている彼女だけど、これからはその「歌」を軸に、もっといろんな表情を見せてくれるようになるかもしれない。 Fiona Apple / Criminal Banksが尊敬するシンガーとして必ず名前を挙げる彼女。その歌い回しにも影響は感じ取れる。 Totally Enormous Extinct Dinosaurs / Tapes & Money 『Goddess』に最も多くのトラックを提供しているイギリスのプロデューサー。キレのいい音作りとポップネスのバランスが絶妙! SOHN / Lights 『Goddess』に貢献しているプロデューサーをもう一人ご紹介。James Blake以降のダークなR&Bを上手く自分のサウンドに取り込んでいる。 |
BANKS -『GODDESS』 ¥2,149円(税込) 発売中! tracklist 01. Alibi 02. Goddess 03. Waiting Game 04. Brain 05. This Is What It Feels Like 06. You Should Know Where I’m Coming From 07. Stick 08. F**k Em Only We Know 09. Drowning 10. Beggin For Thread 11. Change 12. Someone New 13. Warm Water 14. Under the Table Deluxe Edition 15. And I Drove You Crazy 16. Fall Over 17. Before I Ever Met You 18. Bedroom Wall |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine