CULTURE
2014.10.01
80KIDZが打ち出す2014年の最先端と、その先
80KIDZの初EP『Life Begins at Eighty』、そしてファースト・アルバム『THIS IS MY SHIT』がセンセーショナルだったのは、当時の最先端だった「エレクトロ」を日本では誰よりも早く消化して、ハイ・クオリティなオリジナル・トラックとして提示できていたから。というのが大きいと思う。 そして、このたび送り出された4枚目のフル・アルバム『FACE』は、そういった意味では初期の作品に近い。ここでは、2014年の最先端が彼らのフィルターを通した形で見事に表現されている。 インディR&Bに通じるドリーミーな“Can’t Sleep”、新世代ディープ・ハウスと共振する“Gen X”、そして90年代テクノ風の“Sting”など、このアルバムには旬の90’sサウンドを80KIDZならではのキャッチーでメロディアスな曲調に落とし込んだトラックが満載。更には、フレンチ・ハウスやビッグ・ビートといった90年代後半~00年代初頭のサウンドを、誰よりも早く先乗りして取り入れた曲もある。やっぱり80KIDZには流行を先取りする作品を作ってほしい! という人には久々に大満足のアルバムだと思う。 この前、MVが公開されたばかりの“I Got A Feeling”は、Benjamin Diamondをヴォーカルにフィーチャーしたフレンチ・ハウスの80KIDZ流解釈なので、早速チェック! Stardust / Music Sounds Better With You Benjamin Diamondが歌うフレンチ・ハウスの大名曲と言えば、Daft PunkのThomas Bangalterが本名義で送り出した、この曲。 Octave One / Black Water 『FACE』に参加しているAnn Saundersonは、多くのデトロイト・テクノやハウスの名曲に花を添えた名シンガー。これは代表曲のひとつ。 The Weeknd / House Of Balloons / Glass Table Girls インディとR&Bのクロスオーヴァーを促したきっかけは、やっぱりThe Weekndだと思う。彼から“Can’t Sleep”まで繋がる流れは、間違いなくある。 |
80KIDZ -『FACE』 ¥2,407円(税抜) 発売中! tracklist 01. Intro 02. Egyptian Raver 03. I Got a Feeling (feat. Benjamin Diamond) 04. Don’t Wait Up (feat. Ronika) 05. Can’t Sleep (feat. Jhameel) 06. Venge 07. Sting 08. Dusk 09. Gen X (feat. Ann Saunderson) 10. Into The Sun 11. Something In The Way (feat. Kazuki Sato) 12. Face |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine