CULTURE
2014.11.04
It's gonna be alrightと歌って、ポップの荒波に飛び込んだTaylor Swift
Taylor Swiftは新作の音源をレーベルのボスに渡した時、こんなことを言われたそう。「新作はこれまでで最高の出来。でも、カントリー調の曲を幾つか入れてくれないか?」 Taylorと言えば、今や世界一のポップ・スター。であると同時に、カントリー・ミュージック界の救世主でもある。600万枚の大ヒットを記録した前作『Red』も、収録曲の半分はポップスで半分はカントリーだった。 そんな彼女の新作『1989』は、本人曰く「初めてのポップ・アルバム」。得意なカントリーをあえて封印し、ポップの荒波に飛び込んだ冒険作だ。 すでに大ヒット中のリード・トラック“Shake It Off”は、軽快なビートとホーンが楽しい、驚きの新機軸。周囲の余計な雑音を「振り払って=Shake it off」前に進もうという彼女自身の宣言であり、日々の生活の中でいろんなしがらみに囚われてしまっている人々に対しての、「嫌な人にヘコまされているくらいなら、楽しくハジけてたほうがいいでしょ?」という呼びかけにもなっている歌詞も最高! 上のMVには日本語字幕が付いているから、Taylorの言葉にも耳を傾けながら聴いてみて。 そのタイトルどおり、『1989』には80年代後半のポップ・ソングを意識した曲がぎっしり(もちろん1989年はTaylorが生まれた年)。“Shake If Off”以上に冒険的な収録曲の数々は、きっと大きな驚きをもって迎えられるはず。でも彼女は新しい自分がみんなに受け入れられるかなんてビクビクしないで――それこそ“Shake If Off”で歌っているように――「きっと上手くいくよ=It’s gonna be alright」と真っ直ぐ前を向いているに違いない。 Madonna / Like A Prayer Taylorが新作のインスピレーションとして挙げているのが、1989年にリリースされたMadonnaのヒット曲。 Phil Collins / Another Day In Paradise シングルとアルバムの総売上が1億5000万枚を超える大スター、Phil Collinsも『1989』に影響を与えたアーティストの一人。 Annie Lennox / Why Taylor がフェイヴァリットに挙げるAnnie Lennoxの90年代初頭のサウンドも、『1989』に通じるものが。 |
Taylor Swift -『1989』 ¥2,200円(税抜) 発売中! tracklist 01. WELCOME TO NEW YORK 02. BLANK SPACE 03. STYLE 04. OUT OF THE WOODS 05. ALL YOU HAD TO DO WAS STAY 06. SHAKE IT OFF 07. I WISH YOU WOULD 08. BAD BLOOD 09. WILDEST DREAMS 10. HOW YOU GET THE GIRL 11. THIS LOVE 12. I KNOW PLACES 13. CLEAN *ボーナストラック 14. WONDERLAND 15. YOU ARE IN LOVE 16. NEW ROMANTICS 17. I KNOW PLACES (PIANO/VOCAL) 18. I WISH YOU WOULD (TRACK/VOCAL) 19. BLANK SPACE (GUITAR/VOCAL) |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine