CULTURE
絶望と希望を同時に感じる、伝えたくなる映画『世界の終わりから』
『世界の終わりから』
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2週間後にこの世界が終わるとしたら──。
『世界の終わりから』というタイトルが語っているように、世界の終わりが近づくなかで、人類の希望を託され、人類を救うために奔走する、一人の少女・ハナ(伊東蒼)。なぜ自分が選ばれたのか? 自分の見る夢にどんな意味があるのか? 次々と降り注ぐ絶望に彼女はどう向きあうのか? 世界はどんな結末を迎えるのかが描かれる。
この映画は、『CASSHERN』『GOEMON』『ラスト・ナイツ』で知られる紀里谷和明監督によるオリジナルストーリー。世界の終焉を題材にした映画は珍しくはないが、絶望と希望、さらに加えるならば自己犠牲について、これほど感情に訴えかけてくる映画は多くはない。
物語は当然ある。しかしながら、映画を観ている最中も、観終わった後も、物語を追いかける以上に、自分の奥底に留まっていた感情が物語のなかで放たれる感情に刺激され、全身を駆け巡るような感覚とでも言うのだろうか。今、この世界で起きていること、自分の身の回りで起きていることに対する感情とリンクする。そういう体験が待っている。
ここでは、先に挙げたあらすじ以外は物語にもキャラクターにも触れない。理由は、もしも自分がハナだったらという立場で観たほうがいいと言えるから。ときに映画の予告や解説は、多くを語りすぎてしまうことがある。この『世界の終わりから』は、観る前に決して多くを語りすぎてはならない映画。
そんな歯痒さのなかで、とにかく観て欲しいと思うのは、紀里谷監督にとって最後の映画であることも大きい。彼が映画監督として戦ってきた20年、そのなかで感じてきたいくつもの絶望と希望、そして覚悟が、圧倒的な映像美と世界観として映し出される。
この映画から導き出される答えは人それぞれだろうけれど、自分が生きるこの世界をしっかり見よう、目を背けずに見よう、そう気づかされるのではないか。そして、自分自身が感じたことを人に伝えたいと強く思う。そういう気持ちにさせてくれる映画だ。
配役の素晴らしさ度 |
★★★★★
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主人公ハナの絶望度 |
★★★★★
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監督の覚悟を感じる度 |
★★★★★
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監督・脚本
紀里谷和明
出演
伊東 蒼
毎熊克哉
朝比奈 彩
増田光桜
冨永 愛
高橋克典
北村一輝
夏木マリ
配給 ナカチカ
4月7日 (金)
全国ロードショー
ⒸKiriya Pictures
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