CULTURE
刺激と学びに満ちた国際映画際の旅『世界で戦うフィルムたち』
『世界で戦うフィルムたち』
世界の映画祭と聞いて、何を思い浮かべますか?少し前になりますが、濱口竜介監督・西島秀俊主演の『ドライブ・マイ・カー』が、カンヌ国際映画祭で脚本賞ほか3つの賞を受賞。そんなに凄いなら観てみようかなと、映画祭での受賞が映画を観るきっかけになった人もいるでしょう。でも、ニュースで流れてくる映画祭の様子はごく一部であって、その裏側を知る機会はなかなかありません。
そこで、今回ピックアップした『世界で戦うフィルムたち』です。この映画は、若手監督の亀山睦木が、自身のSF長編作品『12ヶ月のカイ』を手に、世界各地の映画祭に挑む姿を記録したドキュメンタリー。
それって映画ツウ向けなんじゃない?と思うかもしれないですが、知らない人ほどのめり込む面白さがある。というのも、亀山監督自身、国際映画際の入選も参加も初めてで、その初めてを観客も一緒に経験する。初めてのドキドキとワクワクを味わえるのです。
亀山監督の挑戦は2020年10月、国際映画際にどうやって応募するんだろう?という入口からスタート。映画際ってそんなにあるのって、まずその数に驚きます。亀山監督が海外の映画際に応募した数、なんと110以上!
そして、『12ヶ月のカイ』が初めて入選したアメリカのフェニックス映画祭・国際ホラー&SF映画祭、続いてフランスのPARIS Art & Movie AWARDS、イギリスのSci-Fi-LONDON映画祭と、亀山監督の旅は進んでいきます。どのように映画祭に参加しているのか、現地での上映や舞台挨拶、関係者との交流、さらには日本人であることの壁や越えなければならないことなど、まさに発見だらけの旅です。
また、亀山監督の映画際の記録と共に、寺島しのぶ、清水崇監督、北村龍平監督といった日本を代表する役者や監督たちのインタビュー映像も収められています。見えてくるのは、日本の映画制作者たちが抱える問題。
私たちは当たり前のように日々映画を鑑賞していますが、映画を作る人がいるから映画を観ることができるわけで。映画祭の裏側を知ることは、映画が私たちに届くまでを知ることでもあり、このドキュメンタリーを観ると、映画との向き合い方も変わってくる。自分も映画祭で映画を鑑賞してみたい、と思うのです。
次々と挑戦を重ねる亀山監督。その姿にとにかく刺激されっぱなしの約2時間。気づけば、私も一歩踏み出してみようかな、挑戦してみようかな、怖がらずに楽しんでみようかな──そんなふうに観る者の背中を押してくれる映画でもあって。映画や映画祭を知るだけでなく、人生のヒントがごろごろしている。『世界で戦うフィルムたち』は、楽しくも実に興味深いドキュメンタリーです。
亀山監督のチャレンジャー度
★★★★★
映画祭に参加してみたくなる度
★★★★☆
英語を学び直そうかなと思う度
★★★★☆
監督
亀山睦木
音楽
今村左悶
出演
北村龍平
谷垣健治
清水崇
深田晃司
片山慎三
祐真キキ
寺島しのぶ
松本卓也
宇賀那健一
戸田彬弘
野本梢
加藤綾佳
石橋夕帆
田中大貴
皆川暢二
中屋柚香
中垣内彩加
工藤孝生
岡田深
大石菊華
今村左悶
カン・ハンナ
Michael A Stackpole Neilson Black Louis Savy
掛尾良夫
矢田部吉彦
製作・配給
ノアド株式会社
5月20日(土)より池袋シネマ・ロサにて2週間限定公開
Ⓒnoadd Inc.
VIDEO
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