CULTURE
大切なことを見失わないために『CLOSE/クロース』
『CLOSE/クロース』
|
人は完璧じゃない──だから「あんなこと言わなきゃよかった」ってことも、思わずとってしまった行動を後悔することも、あるでしょう。傷つけるつもりはなくても、誰かを傷つけてしまったり、傷つけられたり。意図しない結果に繋がってしまうこともあるかもしれません。
だからこそ『CLOSE/クロース』のような映画が必要だと思うのです。周囲の何気ないひと言によって関係が変化してしまった13歳のレオとレミ、彼らの物語です。
レオとレミは、学校以外でもいつも一緒に過ごしている親友同士。中学校に入学した初日、クラスメイトから「付き合ってるの?」と聞かれ、「(一緒にいるのは)親友だから当然だ」と返したものの、その日をきっかけに、レオはレミへの接し方に戸惑ってしまいます。あんなに仲が良かったのに、気まずい雰囲気になり、些細なことで喧嘩。そして、心の距離を置いたまま突然の別れが……。
この映画の監督(・共同脚本)は、ルーカス・ドン。前作『Girl/ガール』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞した、新進気鋭の監督です。彼の長編2作目となる『CLOSE/クロース』のレオとレミは、監督自身が投影されたキャラクターだそうです。
「幼少期や10代前半の頃に自分にとって不安だったことを探求してみたいと思ったのです。私はある意味、レオでありレミでもあると感じていますが、物事の捉え方はレオの方が私に近いです。その一方で、レミは自分自身に忠実で“自分らしく”生きようとした人たちを代表するキャラクターです」(ルーカス・ドン)
私たちもまた、レオとレミを通して10代頃の自分と対峙したり、彼らが伝える“自分らしく”生きることについて想いをめぐらせたり、発する言葉の重みを考えたりするのだと思います。
レオとレミを演じる新人俳優たちがまばゆくて。映し出される風景は絵に描いたようで。そんなふうにカメラが捉える世界が美しいほど、彼らに降りかかる出来事と彼らが抱える心情が際立って見える。観る者の心に優しくも鋭く訴えかけながら大切なことに気づかせてくれる。感情を感じ取る映画です。
煌めき度 |
★★★★☆
|
繊細さ度 |
★★★★☆
|
悩める度 |
★★★★☆
|
|
監督
ルーカス・ドン
脚本
ルーカス・ドン
アンジェロ・タイセンス
出演
エデン・ダンブリン
グスタフ・ドゥ・ワエル
エミリー・ドゥケンヌ
配給
クロックワークス
7月14日(金)より全国公開
Ⓒ Menuet / Diaphana Films / Topkapi Films / Versus Production 2022
|
RECOMMEND
フォトグラファー大田詩織によるZINE“BURNING MAGAZINE Movement Issue 03”のイベントが開催♡
31曲と共に紡がれるラブストーリー『WAVES/ウェイブス』
東京の空に鳴り響く旬なサウンド Spotifyプロデュースのオープンエアーイベントに注目
CULTURE NEWS
国内最大級のヒップホップフェスティバル『POP YOURS』が 幕張メッセにて開催決定!
ペアで撮影したい韓国の最新フォトブースがかわいすぎる♡–韓国HOT NEWS 『COKOREA MANIA』 vol.438
坂東龍汰の繊細な演技が光る『君の忘れ方』