CULTURE
上野樹里×林遣都、異色のミステリーロマンス『隣人X -疑惑の彼女-』
『隣人X -疑惑の彼女-』
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他の惑星から難民がやって来たら──。
「惑星Xで紛争が起き、助けを求めてきた難民を、アメリカ政府は【惑星難民X】として受け入れた。Xは人間の姿に擬態化できる能力があり、人間を決して傷つけない固有性を持っていたからだ」
こんなセリフから映画『隣人X -疑惑の彼女-』は始まります。
違う惑星から何者かが地球にやって来るという設定は、SF映画としてはくり返し描かれてきた設定。たとえば、『未知との遭遇』『エイリアン』『E.T.』『インデペンデンス・デイ』など有名なタイトルをはじめ、挙げたらきりがありません。それだけ、私たちにとって興味のある題材なんですよね。
そのなかに、新たに『隣人X -疑惑の彼女-』も加わるわけですが、この映画の特徴は、入口はとてもSF的、けれどその先で描かれるのは、私たちの日常と地続きの世界であるということ。タイトルにもあるように、隣人が、自分と接点のある人が、親しい人が、【X】かもしれない?【X】だったらどうするのか?という問いを投げかけながら物語は進んでいきます。
主人公は、週刊誌記者の笹(林遣都)とコンビニと宝くじ売り場で働く柏木良子(上野樹里)。
笹は、スクープのために正体を隠して【X】疑惑のある良子へ近づきますが、距離を縮めていくなかで恋心が芽生えて……。はい、実はとてもロマンス的要素が強いです。そして、仕事で成果を出すことと彼女への気持ちの間で揺れ動く笹の葛藤を通して描かれるのは、「無意識の差別、見えない偏見」だと熊澤監督は言います。この作品のテーマでもあります。
入口はSFで、中身はロマンスで、ミステリーでもあって、差別や偏見についての問題提起もある。いろいろな要素のある映画ゆえに、あれこれ考えたくなると思うのですが、考えるのは観た後!まずはこのちょっと不思議な世界に入り込んで、もしかしたら自分の身の回りでもあり得るかもしれない!?というドキドキを楽しんでください。
SF度 |
★★★☆☆
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ミステリー度 |
★★★★★
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ロマンス度 |
★★★★☆
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監督・脚本・編集
熊澤尚人
出演
上野樹里
林 遣都
黃 姵 嘉
野村周平
川瀬陽太
嶋田久作
原日出子
バカリズム
酒向 芳
配給
ハピネットファントム・スタジオ
12月1日(金)新宿ピカデリー 他全国公開
Ⓒ2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 Ⓒパリュスあや子/講談社
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