CULTURE
言葉で世相を風刺しつづける男『アイアム・ア・コメディアン』
『アイアム・ア・コメディアン』
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たとえば、何か大きな力によって理不尽な扱いをされたら、行く手を阻まれたら、どうしますか。立ち向かう、違う道を探す、諦める……選択肢はいろいろあるかもしれないですが、それってやっぱり「おかしいでしょ」と物申すことは、とても大事なことだと思うのです。
けれど、いまの日本は「物申す」ことが年々難しくなっています。SNSの登場で誰でも自由に発言できる時代になった一方、2024年「報道の自由度ランキング」の日本の順位は、昨年から2つ順位を下げて180カ国・地域中のうち70位。悲しいかな、主要7カ国(G7)の中では最下位です。
順位の低い理由のなかには、報道に対して外部からの圧力が働いているのではないか、ということも含まれます。それは、今回取り上げたドキュメンタリー映画『アイアム・ア・コメディアン』にも繋がっていて。お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔は、政治的な発言をきっかけにネットで炎上し、テレビから姿を消しました。
この映画は、「言論の自由」とは何かを問いかけながら、テレビという表現の舞台を失った村本大輔が、スタンダップコメディという舞台を見出し挑戦する姿──本場アメリカでの武者修行、韓国での出会い、パンデミックの苦悩、知られざる家族との関係など、彼の表現者としての日々を、新鋭ドキュメンタリスト日向史有が追いかけた3年間の記録です。
村本大輔という一人の芸人がスタンダップコメディアンを目指す。物語として、それは小さな物語かもしれません。けれど、限界を決めずに可能性に賭けて世界へ踏み出す挑戦する姿にハッとさせられる、
彼がステージで放つ言葉にハッとさせられるのです。社会に、世の中に、政治に、関心を持つことを忘れてはならないと気づかされる一本です。
挑戦度 |
★★★★☆
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話術度 |
★★★★☆
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哀愁度 |
★★★☆☆
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監督
日向史有
出演
村本大輔(ウーマンラッシュアワー)
中川パラダイス (ウーマンラッシュアワー)
配給
SPACE SHOWER FILMS
2024年7月6日(土)よりユーロスペース他にて全国順次公開
Ⓒ2022 DOCUMENTARY JAPAN INC.
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