CULTURE
主演・菅田将暉×監督・黒沢清『Cloud クラウド』
『Cloud クラウド』
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例えば、ふと窓を見たら人らしきシルエットが──。そこがどういう場所であるかにもよりますが、誰もいないはずなのに誰かがいたり、いたように見えたりしたら、ちょっと不気味だなって思いますよね。
黒沢清監督が映し出すホラーやサスペンス・スリラーには、日常に潜んでいる「ちょっと不気味だな」という感覚が巧みに張り巡らされている。映画という創作の世界のフィルターを通すことで、その不気味さは何倍にも何十倍にも膨らんでいく。そんな怖さがあります。
菅田将暉を主演に迎えた新作『Cloud クラウド』もサスペンス・スリラーです。
主人公の吉井は、真面目にコツコツと悪事を働いている転売ヤー。郊外の湖畔に事務所兼自宅を借り、恋人との新しい生活をスタートさせますが、仕事が軌道に乗ってきた矢先、不審な出来事が次々と起こります。ネットで募った不特定多数の集団の標的にされた吉井の日常が壊されていき……。
前半はサスペンス、後半はガンアクション、入口からは想像していなかった展開が待ち受けているので、えっ!と意表を突かれる。
さらに、「Cloud クラウド」というタイトルを深読みすると、現実の世界とネットの世界をつなぐ何かがあるの?暗喩?想像はどこまでも膨らんで、映画を振り返りながら結末のその先を想像したり、それもまた楽しくて。
この映画の世界は現実と地続きの世界、でも虚構の世界。その世界に誘う吉井役の菅田将暉をはじめ、俳優たちが醸し出す不気味さもいいのです。
アクション度 |
★★★☆☆
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不気味度 |
★★★★★
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黒沢清ワールド度 |
★★★★★
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監督・脚本
黒沢清
出演
菅田将暉
古川琴音
奥平大兼
岡山天音
荒川良々
窪田正孝
配給
東京テアトル 日活
9月27日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
Ⓒ2024「Cloud」製作委員会
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